暑い夏におすすめの東北旅行!せっかくなら、人とはちょっと違うディープな東北・岩手&秋田を体験してみませんか?「夏の岩手&秋田旅の裏メニュー4選」では、文化財として見る「小岩井農場」、荒々しくその姿を残す溶岩流の岩原「焼走り熔岩流」、大自然を行く「八幡平」のトレッキング、秘湯露天「ふけの湯」の4つのスポットをご紹介!人には教えたくない秘密の裏メニュー、しかも車さえあれば、4つのメニューを一日で回ることもできる厳選のコース!これはもう、行くしかないですね!
1:定番「小岩井農場」を文化財として見る
小岩井農場(こいわいのうじょう)とは
小岩井農場は、小岩井農牧株式会社が所有する、岩手県岩手郡雫石町にある日本最大の民間総合農場です。
1891(明治 24)年の開設で、共同創始者である小野義眞(日本鉄道会社副社長)、岩崎彌之助(三菱社社長)、井上勝(鉄道庁長官)の三名の頭文字から、「小岩井」の名前が付けられました。
農場と聞くと、牛や馬を見たり、アスレチックやアクティビティを楽しむファミリー向けの施設というイメージが強いかもしれません。しかし小岩井農場には、明治時代から昭和初期にかけて建設された、牧畜関連の建築物が複数残されており、文化財として高い価値を持つ側面もあるのです。
牛舎やサイロのほか、事務所、倉庫、集会用の施設である「倶楽部」など、農場に関わる建物が多く残されている小岩井農場。牛舎の建築には、大空間を確保するために「トラス架構」と呼ばれる技法が取り入れられており、近代建築史や近代農業史の世界でも注目されています。
これらの建物をただ保護するのではなく、使用しつつ保存するというのが所有者である小岩井農牧株式会社の方針とされており、牛舎では現在も牛が飼われています。
小岩井農場の重要文化財は自由見学できない
そんな小岩井農場の重要文化財群、今も現役で使用されているという点から、自由見学ができる場所がかなり限られています。遠くから見られるいくつかの施設はあるものの、これでは重要文化財を見たとは言いにくい…。
そんなときに活用したいのが、小岩井農場のバスツアーです!
「小岩井農場めぐり 重要文化財コース」を活用しよう
ガイド付きツアー「小岩井農場物語」のバスツアー、「小岩井農場めぐり 重要文化財コース」は、非公開エリアや重要文化財の建築物をめぐる、45分間のミニツアーです。「多くの方がご存じない、『小岩井農場の真の姿』にふれることができるバスツアーです。」と公式ホームページで紹介されるほど、「知る人ぞ知る」楽しみ方と言えるでしょう。
全ての重要文化財のところで降車できるわけではなく、主にバス車内からの見学となりますが、特徴や歴史などをガイドさんが分かりやすく説明してくれるので、充実のコースとなっています。
時間、定員が決まっているツアーとなっていますので、特に遠方から行く場合には事前に予約をしておいたほうが安心ですね!
「小岩井農場めぐり 重要文化財コース」
■期 間:4月中旬~ 11月上旬
■開始時刻:重要文化財コース①10:30 ②13:30 ③15:30
■料 金:中学生以上800円、5歳以上400円、全て自由席
■定 員:各回33名(当日受付先着順)
※5歳以上から参加可能。(4歳以下のお子様は参加できません)
※事前予約も可。WEB予約の場合はご希望日の3日前まで。電話予約は当日も可(019-692-4321)。
小岩井農場から車で約40分、次の裏メニューは「焼走り熔岩流」!
小岩井農場を楽しんだ後は、そこから北へおよそ30km、岩手山のふもとへと車を走らせましょう。所要時間は一般道で約40分、山を眺めて車を走らせるドライブも東北旅の魅力です。
2:荒々しい溶岩流の岩原「焼走り熔岩流」
「焼走り熔岩流」とは
焼走り熔岩流(やけはしりようがんりゅう)とは、岩手県八幡平市の岩手山から流出した溶岩流によって形成された岩原で、国の特別天然記念物に指定されています。焼走り溶岩流が形成された火山活動の年代は、1719年(享保4年)とされていますが、近年の研究では1732年(享保17年)とする説もあります。いずれにしても今から約300年も昔にできたものなんですね。
扇状に広がる黒い岩石帯は、長さ約3km、最大幅約1kmに及びます。緑あふれる周囲の景色とは全く別の、荒涼とした風景が広がります。熔岩流末端に片道約1kmの観察路が設けられていて、すぐ近くで溶岩の固まった小さな岩を見ることが可能です。
なお、冬季には積雪で閉鎖されるため見学ができないのでご注意を。また散策路の終点には、この場所を訪れた宮沢賢治による詩、「鎔岩流」の碑が建てられています。
「焼走り熔岩流」から車で約40分、次の裏メニューは「八幡平トレッキング」!
「焼走り熔岩流」の所要時間は約20~30分というところ。次は夏の東北の大自然を味わう山へと足を運びましょう!
「焼走り熔岩流」から北西におよそ30㎞、「アスピーテライン」というドライブウェイを通って、「八幡平山頂駐車場」(「アスピーテライン頂上駐車場」)へと向かいます。ドライブの後半は山道に突入。窓を開けておいしい空気を味わってください!
3:大自然の中の美しい沼を望む「八幡平」でトレッキング
八幡平(はちまんたい)とは
八幡平は、岩手県、秋田県にまたがる奥羽山脈北部の山群で、八幡平山頂の標高は1,614 m。広い高原上のあちこちに、様々な形の小さな山頂をもつ、火山由来の山群です。
たくさんの山頂と山頂の間には、無数の沼や湿原が点在しています。山域は青森県・岩手県・秋田県の3県にわたる十和田八幡平国立公園に指定されています。
また、その手つかずの美しい自然は、「日本の秘境100選」にも選ばれています。
八幡平のハイキングを楽しむには、まず車で「アスピーテライン頂上駐車場」へ向かいます。「アスピーテライン」は、八幡平を横断する全長約27kmのドライブウェイで、4月の半ばからゴールデンウィークくらいまでの期間には、道の両側を雪の壁に挟まれる「雪の回廊」として有名な道でもあります。
※アスピーテラインは雪のため、毎年11月初旬~4月中旬くらいまで通行止めとなります。
トレッキングの準備は、山頂駐車場の「八幡平山頂レストハウス」で
八幡平のトレッキングコースはいくつかありますが、なかでも所要時間が短く、手軽に大自然を楽しめるのが、アスピーテライン頂上駐車場を出発し、展望台~八幡平頂上を目指す「八幡沼・ガマ沼展望台コース」です。
アスピーテライン頂上駐車場には、「八幡平山頂レストハウス」という施設があります。まずはここで散策地図を入手し、トイレなども済ませてハイキングの準備を整えましょう!うどん(700円~)やカレー(850円~)など、簡単な食事がいただける軽食コーナー(軽食メニューはこちら)もあります。