買うべきではない高配当銘柄とは
配当利回りのランキング上位の銘柄でも買ってはいけない銘柄がある。それは「株価が下がっている」ことが原因で利回りが高くなっている銘柄だ。
一般的には企業内にあるなんらかの悪材料(業績悪化や事業提携の解消など)がある場合には株価はそれを織り込みながら下がっていく。それにもかかわらず以前と同様の配当金を支払い続ける場合、利回りはどんどん高くなっていく。
例えば、ある企業の株価が1000円の時に配当金が50円だったなら利回りは5%。その企業の株価が業績悪化を発表して半年で株価が500円になった場合でも配当を50円出し続けているなら利回りは10%になる。表面上は非常に高利回りになっているように見えるが、将来的にはリターンは低くなる可能性が高い。なぜなら、業績悪化などの悪材料に伴い配当を減らしたり、無配当にすることがあるからだ。
そのため高配当利回りの銘柄を探す際には、必ず業績のチェックや過去の株価の推移を確認する必要があるのだ。
賢い投資家になるためのもう一歩 「実質利回り」に注目
さらに利回りには配当利回りと実質利回りの2種類があることを知っておくべきだ。賢い投資家は後者の実質利回りを重要視する。
実質利回りとは配当利回りに、株主優待の価値を加えた利回りの事をいう。株主優待は「3000円の食事券」や「入場料1回無料」など金額換算できるものもあれば、「お買い物時30%割引券」などのように使い方によって優待価値が変わるものもある。
例えば、ある企業の10万円の家具を定価で買うより30%引きの優待割引券を使用して7万円で買う方がお得なことは言うまでもない。この場合、割引分の価値が配当利回りに上乗せされることになる。
株主優待を実施している企業は多く、配当利回りと優待の利回りを合わせると、年間10%を超えるものも数多くあるのだ。業績の良い高配当&好優待銘柄を仕込みたいものである。
高配当利回り銘柄はここに注目 3つのポイント
まとめてみよう。高配当利回り銘柄はそのまま買いというのは実は損失への近道であり、高配当銘柄への投資で成功するためには、最低でも以下の項目をチェックする必要がある。
- 業績は安定的もしくは上振れしているか(上振れしていて増配傾向が最も良い)
- 株価の推移は安定的かどうか(株価が下がっているがゆえに高利回りなのは除外する)
優待利回りなどを含めた実質利回りは高いかどうか(優待を合わせると非常に利回りが高い銘柄がいくつもある 以上を認識した上で高配当利回り銘柄への投資を成功へと近づけていただきたい。
文・谷山歩(個人投資家)/ZUU online
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