夫がうつになった…離婚はできる?

夫の「うつ」を理由に離婚はできる?慰謝料は貰える?離婚の際の注意点
(画像=PlusQualityより引用)

夫がうつ病になってしまうと、生活環境が変わってしまうのはもちろん、夫婦関係、親子関係などにも影響を及ぼします。

夫が働けなくなることで、収入が減る。家族のコミュニケーションがうまく行かない。以前と違う父親の姿に、子供が戸惑うなどです。

生活に大きな支障が出てくると、離婚を考えたくなることもあるでしょう。

ただ、夫はうつ病。離婚することで、病気の夫を、見捨てるように感じられ、道義的な責任を感じるかもしれません。

一人で悩んでも、解決方法は、なかなか見つからないかもしれません。

両親や親族に相談するのはもちろん、行政機関の法律相談をはじめ、弁護士などの専門家に相談することも、必要かもしれません。インターネットで気軽に相談できるサイトもありますので、活用してみて下さい。

夫の「うつ」が理由で離婚する方法

うつ病の夫との離婚。夫に正しい判断が出来るかどうかも分からないという、難しい問題です。

では、そもそも、夫の「うつ」が理由で離婚できるのでしょうか。

専門家の知識をもとにご紹介していきます。

協議離婚は難しいかもしれない

民法第770条に、離婚できる条件が挙げられています。その中の四に、「配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき」に、今回の離婚が該当することになるでしょう。

また、民法第752条には、「夫婦は同居し、互いに協力し扶助しなければならない」と記されています。

夫のうつ病が原因で、婚姻生活が成り立たないという理由で、妻から離婚を切り出すことはできます。

ただし、夫はうつ病。

健康な夫婦であっても、離婚交渉は、神経をすり減らすような作業です。強度のうつ病の夫が、離婚に必要な財産分与、親権、養育費などの大切な問題に対して、正しい判断ができるでしょうか。

うつ病は、人により、症状がさまざまなので、協議離婚が全く難しいとは言えませんが、専門家への相談が離婚への近道と言えるでしょう。

夫の同意が得られるか

夫の「うつ」を理由に離婚はできる?慰謝料は貰える?離婚の際の注意点
(画像=PlusQualityより引用)

うつ病の夫が離婚に同意するのか。夫が離婚を望んでいる場合を除き、難しい問題ではないでしょうか。

夫にも離婚の意思があるのならば、離婚届を役所に提出しさえすれば、協議離婚できることになりますが、もし夫が離婚を拒否しているのであれば、離婚調停となり、解決までに、時間がかかることになります。

その間にも、夫は離婚のショックで、症状が悪化することも十分考えられます。

夫が離婚を拒否している場合には、過度な精神的ストレスを与えないように、離婚相談を一時棚上げする、別居を検討するなどの配慮が必要かもしれません。

離婚後の夫の暮らしを考えなくてはならない

夫の「うつ」を理由に離婚はできる?慰謝料は貰える?離婚の際の注意点
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妻は、離婚したあとの夫の生活についても、考えなくてはいけないでしょう。夫が、実家に戻り、両親が看病や世話をするならば、収入源、身の回りの世話など、夫をサポートできる体制が整わなければ、離婚は難しい、と言われています。

夫は、病気を患っており、一般的な離婚とは、事情が違います。

まずは、近くの弁護士会、行政機関などの相談会を利用されることをおすすめします。

「うつ」以外の理由も用意しておく

夫の「うつ」を理由に離婚はできる?慰謝料は貰える?離婚の際の注意点
(画像=PlusQualityより引用)

「うつ」だけが理由で離婚ができなくても、民法第770条1項五号「その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき」と理由に離婚が成り立つ可能性があります。

その場合、離婚したほうがいい、と判断されるような証拠が必要となります。

うつになってから、夫の回復を願い、献身的に協力してきたのに、夫が回復のための治療に真面目に取り組まない。妻に暴言や暴力を加える。子供に悪影響が出てきたなど、夫のうつ病が原因で起きたことを、書き記しておきましょう。

また、うつ病になるまえに、浮気、不倫をしていた、DVを受けていた、または、すでに夫婦生活が破綻していたというようなことが証明できるものがあれば、証拠として集めておく必要があります。

妻がしっかり看病をしたかも問われる

夫の「うつ」を理由に離婚はできる?慰謝料は貰える?離婚の際の注意点
(画像=PlusQualityより引用)

うつ病を患っている夫を、看病せずに離婚の話を進めるのは、人としてどうなのか、を考えなくてはいけません。たとえ、離婚したい相手だとしても、婚姻状態である以上、治療へ協力する必要がありますし、調停に至った場合、妻が十分に夫のケアをしてきたか、も問われます。

自分がどんな看病をしてきたのか、記録をつけることが大切です。

妻が献身的に看病したにもかかわらず、うつ病が改善されないどころか、家庭生活や子供に悪い影響がある、と判断されれば、協議離婚できる確率が高くなりますし、調停となっても、有利になります。