すぐにできる! 傾聴力を上げるコツ

そんな傾聴だが、しっかり習得するには時間がかかる。これまで多くの方に傾聴スキルの指導をしてきたが、日常で自然と使えるまでには1年程度のトレーニング継続が望ましい。しかし、今日からでも実践できるコツがあるので、3つ紹介する。

1つ目は表情。人は相手の表情から気持ちを察するもの。だからこそ相手にとって、無表情や真顔は自分が思うより怖く感じられてしまう。眉間の力を抜き、口角を上げる。話に合わせて表情豊かに気持ちを表現する。苦手な方は、鏡に向かって普段の倍の笑顔の練習をして欲しい。これにより表情筋を鍛えることができる。

2つ目は気持ちの言葉を逃さないことだ。人が相手に最も分かって欲しいもの、それは自分の気持ちである。楽しい、辛い、不安、悔しい……こうした気持ちを受け止めてもらえた時、大きな安心感を得られる。基本は相づちを打っているだけで構わないが、部下が発した気持ちの言葉だけは逃さず、「悔しかったんだな」という風に繰り返す。1つ目の表情もあわせて行うとなお良い。

最後は意見を言わないことである。部下の話を聞いていれば、「それは違う」「こうすべきだ」と感じることが多々有る。しかし、その都度言ってしまえば、部下と距離ができるだけだ。指導は伝わらず、関係も悪くなりかねない。そんな時はグッとこらえてこう考える。

「(部下は)何故こう思ったんだろう」と。

こうして部下の気持ちや考えを引き出した上で、必要なら指導をすれば良い。

指導とメンタルケア。一見相反するものに思えるが、傾聴を使えばその両立は可能である。これまでのやり方で上手くいっていないなら、試してみてはいかがだろうか。

文・藤田大介(DF心理相談所 代表心理カウンセラー)

【こちらの記事もおすすめ】
年収400万円以上稼ぐ女がしている3つのこと
性格別!年収アップ方法とは?
自分ブランドを作るために大切なこと
クセのある上司への「的確な」対処法とは
給付金がもらえる人気の資格6選