最近、電線や電柱が減っていると思いませんか?都市部や大きな道路沿いで電柱や電線がなくなり、スッキリした景観になりつつあります。
この記事では電柱や電線が減っている理由として、「電線地中化」の概要や電柱地中化で得られるメリットについて解説します。また、日本における電柱地中化の現状についても説明します。
電線・電柱が減少している理由は「電柱の地中化」
近年電線や電柱が減少している理由は、「電柱の地中化」が進んでいることにあります。欧米など他の先進国ではかなり前から電線の地中化が進んでおり、見える範囲に電柱や電線がない街もあります。
日本でも、最近は都市部を中心に電柱の地中化が進み、国道など全国幹線道路沿いや東京23区などでは電線や電柱が激減しています。今後ますます電柱の地中化が進めば、将来は地方でも電線や電柱が見られなくなるでしょう。
電線や電柱が減ることによるメリット
電線の地中化で電線や電柱が減るメリットは主に3つあります。
1.防災面の強化
最大のメリットは防災面の強化です。
東京では30年以上前から「電線類地中化計画」が始まっていましたが、阪神大震災で電柱の倒壊による二次災害で多くの人命が奪われたことを機に、その動きはさらに加速しました。その結果、全国で「災害に強い街作り」を目的とする電柱の地中化が進み始め、日本各地で電柱や電線が減りつつあります。
2.街のバリアフリー化
電柱の地中化は街のバリアフリー化を促進するメリットもあります。
街に多くの電柱が建っていればベビーカーや車いす、シルバーカー(高齢者用手押し車)などの通行を大きく妨げます。また、目が見えない人にとっても電柱の存在は脅威となります。電柱の地中化はそのような人たちが安全に街を歩ける点で大きなメリットがあります。
3.景観の向上
あちらこちらに電柱が立ち並び、空が電線だらけの光景は、街の景観を大きく損ねます。しかし、電柱が地中化すればそれがなくなり、街の景観が向上します。
このように、電柱地中化は命を守り、人々の生活や街の景観を向上させる点で非常に大きなメリットがあるのです。