歴史ある武家屋敷や、桜並木で知られる角館。ひとたび足を踏み入れれば、この地に流れる静かで優雅なひとときに誰もが心奪われてしまいます。ここでは角館の代名詞、武家屋敷の見どころをご紹介します。

江戸時代にタイムスリップする町並み

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(画像=mumin 角館、トリップノートより引用)

秋田県仙北地方にある角館は、約400年前会津の名門・芦名氏により開かれ、その後秋田藩主・佐竹氏一門北家のもと、廃藩まで仙北地方の拠点として栄えました。佐竹氏は公家の出身であり、故郷を懐かしみ多くの京文化を移入させた町並みは「みちのくの小京都」とも呼ばれます。

町は南北にのび、中程の「火除け」と呼ばれる火事延焼を防ぐ広場を境に、北の武家町(内町)南の商人町(外町)に分けられました。また黒板塀がつづく通りには、一見行き止まりに見える枡型の通りが設けられ、防衛を目的としたかつての城下町を垣間見ることができます。これらの先人たちの遺産は大切に受け継がれ、今もなお幕政時代の趣を伝えるものとして国の重要伝統的建造物群保存地区に指定されています。

武家町の「内町」

内町には上・中級の武家屋敷が立ち並び、位の異なる武家屋敷を楽しむことができます。

青柳家

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(画像=kakunodate-kanko.jp 青柳家・薬医門(提供:角館町観光協会様)、トリップノートより引用)

青柳家は芦名氏の頃から仕えた有力な武将で、上級武家屋敷に位置します。屋敷は重厚で格式高い薬医門、道沿いの武者窓と呼ばれるのぞき窓が特徴で、約3,000坪もの敷地内には6つの資料館が設けられています。

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(画像=mumin 角館・小田野直武像、トリップノートより引用)
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(画像=mumin 角館・武器蔵、トリップノートより引用)

6つの資料館には、「武器蔵」「ハイカラ館」「秋田郷土館」など青柳家の宝やアンティーク品を見物できるエリアや、秋田の歴史を知れる施設が設けられています。これに加え青柳家とゆかりある「解体新書」で知られる小田野直武像もあり、見応え十分です。

  • 入場料(2016年10月現在):大人500円、中・高校生300円、小人200円

石黒家

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(画像=mumin 角館・石黒家、トリップノートより引用)

石黒家は佐竹北家のもと財政関係の役職につき、現存する武家屋敷のなかで最も格式高い家柄。武家屋敷のなかで唯一、座敷にあがることができ、建物や生活様式などを丁寧に説明してもらえます。今でも一族の子孫が住んでいるため、屋敷の半分が一般公開部分です。

  • 入場料(2016年10月現在):大人300円、小人150円

岩橋家

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(画像=mumin 角館・岩橋家、トリップノートより引用)

岩橋家は芦名氏に会津時代より仕えた重臣で、のちに佐竹北家の家臣として廃藩まで仕えた家柄。屋敷は江戸時代末期に改造され、屋根も茅葺きから木羽葺きに変わっていますが、中級武家屋敷として当時の生活様式を今に伝えています。岩橋家にある柏は樹齢300年以上、根回り3m以上の巨木で、仙北市指定の天然記念物です。その風情ある邸宅は、映画『たそがれ清兵衛』の撮影場所にもなりました。

  • 入場料(2016年10月現在):無料

河原田家

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(画像=mumin 河原田家・小田野家 渡り廊下、トリップノートより引用)

会津時代から芦名氏に譜代し、後に佐竹北家の家臣となり廃藩まで仕えた河原田家の邸宅。お座敷は江戸時代建築様式で建てられ、書院造りの表座敷には蝶の欄間がかけられています。渡り廊下で小田野家と繋がっているのも面白く、苔むした日本庭園は見応え十分。

  • 入場料(2016年10月現在):無料