夫がいる意味を見いだせなくなり離婚

 それでも一緒に出かけることもあった。ナオミさんが行きたかった店で食事をしたり、一緒に観たかった美術館に行ったり。

「だけどあるとき、美術館で彼が歩きながら居眠りをしかけたんです。それを見て、無理させちゃいけないと思いました」

 週末は彼を休ませ、彼女はひとりでスポーツジムや映画館に出かけた。そうしているうちに、夫がいる意味を見いだせなくなっていったという。

「結婚して1年半ほどたったとき、久々に顔を見た夫に『私たちってどうして一緒にいるんだろうね』と問いかけたら、夫も『そうだね』って。それで離婚の方向に一気に傾いていきました」

夏目アナ引退へ。「すれ違い」をツブさないと結婚はうまくいかないのか
(画像=『女子SPA!』より引用)

元夫とは今もいい友だちだ。だがこの春、ナオミさんは別の男性と再婚を決めた。

「今度は週末が休みで、仕事は好きだけどプライベートな生活はもっと大事という人と結婚しました。最初の結婚みたいに顔を見ない日が続くこともないし、とても楽しく暮らしています」

 時間のすれ違いは、やはり心のすれ違いを生んでいくものなのかもしれない。

長くなってからの「すれ違い」はかえっていい結果に?

 一方、結婚生活が長くなれば、すれ違いはかえっていいスパイスになると笑うのは、シノブさん(43歳)だ。結婚して14年、中学生になった娘がいる。

 現在はコロナの影響もあって東京本社勤務となっているが、シノブさんは昨年夏まで単身赴任をしていた。

「ええ、夫ではなく私が単身赴任です。2年ほど大阪にいました。当時、娘は10歳だったし、関西への単身赴任なんて無理だから断ろうと思ったんです。だけど夫に話したら、『チャンスなんだろ、行けばいいよ』って。

 夫の仕事は早朝から昼過ぎまで。以前から夕飯の支度は夫がしてくれていたんですが、朝食は寝る前に用意しておけばいいし、洗濯だって掃除だってなんとかなるさと。娘は寂しそうでしたが、夫が『おとうさんとふたりで仲良く暮らそう』と言うと、にやっと笑ってうなずいていました。

 週末はなるべく東京に戻ってくると約束して単身赴任で働きました。独身時代に戻ったみたいで、けっこう飲み明かしたりもして楽しかったですね」