ラシク・インタビューvol.90

株式会社ワークスアプリケーションズ 高橋 俊晃さん
株式会社NTTドコモ 小野 俊樹さん
株式会社KADOKAWA 盛田 諒さん

実際に、育休を取った男性3名が、育休、そして子育てのぶっちゃけトークを繰り広げる対談の後編です。

育休を切り出すタイミングや、男性の育休取得率が上がるためにはこんなアプローチがあるといいんじゃない?と実際育休を取った側ならではの意見が上がりました。

育休を切り出すのは妻が安定期に入ってから、だけどそこから諸手続きをしようと思うとかなり慌ただしい(盛田さん)

育休を取ることが選択肢の全てではない。育児に普通に参加しているだけ。本音だらけの育休男子対談(後編)
(画像=名刺交換をする前にすでに盛り上がる育休男子の皆さん、『LAXIC』より引用)

編集部:育休を取ろう!と気持ちが決まったのはいいけれど、いざ切り出すのは緊張したんじゃないでしょうか。

高橋俊晃(以下、敬称略。高橋):育休を絶対取るって決めていた僕ですら、切り出すときは緊張しましたよ。来期の自分の割り振りとか次のプロジェクトが決まりつつある中で、「早めに言わなきゃ、でもまだ妻が安定期じゃないから言えないな」って葛藤の中でタイミングをはかっていました。

盛田諒(以下、敬称略。盛田):だけど、安定期に入ってから育休に入るまでの諸手続きを考えると、結構慌ただしいんですよね。

小野俊樹(以下、敬称略。小野):僕も長く時間をかけて周りの人に話していかなきゃなとは思ってました。だけど、言う側がドキドキするのって、言われる側が想定していないってことを切り出すからなんですよね。育休取得を考えている社内の男性からも「どのくらいのタイミングで育休を切り出したんですか?」とよく聞かれます。

育休を取ったからって特別なんじゃなくて、普通の人が普通のテンションで子育てしてるよってことを伝えて行かなきゃいけない(高橋さん)

育休を取ることが選択肢の全てではない。育児に普通に参加しているだけ。本音だらけの育休男子対談(後編)
(画像=左)高橋さん、中央)小野さん、右)盛田さん、『LAXIC』より引用)

編集部:育休も切り出してしまえば全然取れたよ、っていうのと同様に、やってみれば簡単なんだけど、夫婦間で不満や要望をどうせ分かってくれないだろうと自己完結してしまうことも多い中、どのような一歩が踏み出せたらより良い方向へ進めるでしょうか。

盛田:育休にしても初めてのことをしてみるのはこわいだろうし、誰かの反対にあうかもしれないけど、面白そうって思った直感に従ってみてもいいと思います。言っちゃったから引き返せない、という既成事実を作るのもいいし、自分が一言発言するだけでも背中を押されるんじゃないかと思います。育休を取ることが選択肢のすべてではないし、育児に参加したいと思うならそれをためらわずに自分にできそうな一歩を見つけて、それを誰かに言ってみるだけでもいいと思いますよ。

小野:僕の場合徐々に話していく範囲を広げていって計画的に進めていきましたが、準備の中で一番効いたのが、言葉に落とすことですね。モヤモヤしている状態が一番ストレスで、書いていくことで「自分はこういうことに悩んでいたんだ」とか、いろんなことが整理されてクリアになっていきました。

盛田:私も「育休の期間中はこのように仕事を進めたいと思います」と上司にメールをしたのですが、書いてみると「これだけのことだったのか」と気づいた部分もあります。

高橋:あと、生の育休男子を見たことがないからピンとこないという人も多いんじゃないかな。あのブログを書いている人、とか社内報に載っていた人、とかは知っていても、目の当たりにすることがあまりない。

育休を取ったことで、こういう風に記事に取り上げてもらうこともあるし、自ら発信もしていかなきゃいけないけど、決して特別なことをしているわけではなくて、普通の人が普通のテンションで普通に育休を取っているんだ、その中で悩んだり、楽しいことがあって、ってことが伝わらなきゃいけないなって思います。

小野:僕も復帰した際に、社内で「『あの』小野さんですか?」って言われたことがあります。『あの』って何なんだろうって・・・(笑)