お腹の調子を整えると言われているヨーグルト。ヨーグルトは砂糖やジャムをかけたり、果物と一緒に食べたりと、色々な食べ方がありますが、ダイエット効果や美肌効果を十分に引き出すにはどのように食べるといいのでしょうか。今回は、栄養学を専門とする筆者がヨーグルトの効果を引き出すおすすめの食べ方を紹介していきます。

ヨーグルトでダイエット・美肌を叶える!?

「ヨーグルトを食べてダイエット成功!」「ヨーグルトで美肌になった」といった噂を、一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。それは、ヨーグルトに含まれる乳酸菌やビフィズス菌といった「善玉菌」が、腸内環境を整えてくれるためです。

私たちの小腸や大腸の中には何百種類もの腸内細菌が住んでいます。それらは「善玉菌」「悪玉菌」「日和見菌」の3つの分類されます。善玉菌は、乳酸菌やビフィズス菌などが有名ですね。食べ物の分解のために働き、免疫力を活性化させてくれます。悪玉菌は、たんぱく質を腐敗させて有毒なガスを発生させます。免疫力も低下させ、病気のリスクをも高めてしまいます。

日和見菌は、腸内細菌で一番多く存在する菌です。腸内で優勢になっている菌の味方になります。つまり、悪玉菌が多い乱れた腸内環境だと、日和見菌が悪玉菌の味方になり、腸内環境がさらに悪くなっていきます。

どの腸内細菌がどれだけ住んでいるかという、腸内細菌のバランスのことを「腸内細菌叢(ちょうないさいきんそう)」と呼びます。最近ではメディアなどで「腸内フローラ」という呼び名が定着していますね。腸内細菌の割合は、善玉菌 2:悪玉菌 1:日和見菌 7が理想的ですが、食生活の乱れにより多くの現代人が、このような腸内環境を保てていないと思います。「腸内フローラ」が乱れると太りやすい体質になったり、健康に悪影響が及んだりすることが分かっています。そこで活躍するのが、善玉菌を含んだヨーグルトなのです。
 

腸内環境が悪いとこんなことが・・・
・便秘、下痢になる
・代謝が落ち太りやすくなる
・肌が荒れる
・体がだるくなる
・むくみ、冷えが発生しやすくなる
・免疫力が落ち、風邪をひきやすくなる

ヨーグルトのダイエット・美肌効果のあるヨーグルトの種類は?

では、ダイエット・美肌効果をより実感するには、数ある中からどのヨーグルトを食べれば良いのでしょう。

ヨーグルトには、善玉菌である乳酸菌、ビフィズス菌が含まれています。しかし、ヨーグルトから摂取した乳酸菌のほとんどは、胃酸や胆汁酸などで死滅してしまい、生きて腸まで届くことは難しいのです。そこで注目されているのが、ビフィズス菌です。ビフィズス菌は、腸内の悪玉菌を減少させ腸内フローラを整える作用があります。

ビフィズス菌は酸素や酸に弱いため、作られる過程で死んでしまうことも多いそう。ビフィズス菌は、すべてのヨーグルトにが含まれているわけではないので、腸内環境を整えてダイエットや美肌の効果を得たい方は、生きたビフィズス菌入ったヨーグルトを選ぶようにしましょう。ビフィズス菌には、ビフィズス菌Bifixやビフィズス菌LKM512、ビフィズス菌BB536などがさまざまな種類があります。

ヨーグルトのダイエット・美肌効果を引き出す食べ方

ダイエットや美肌作りに一役買ってくれるヨーグルト。一体どのようにして食べると、その効果をより引き出すことができるのでしょうか。おすすめの食べ方をご紹介していきます。

1、無糖のヨーグルトを食べる

ヨーグルトでダイエットしたい場合は、無糖もしくは低糖のヨーグルトを選ぶようにしましょう。一般的なヨーグルトは、1個100~250キロカロリーくらいあります。体に良いからと食べ過ぎてしまうとダイエットには逆効果です。1個100キロカロリー以下のものもたくさん登場しているので、栄養成分表示を見て選んでみましょう。

2、はちみつをかけて食べる

無糖のヨーグルトにはちみつをかけて食べるのは、とてもおすすめ。はちみつには、腸内細菌のエサとなるオリゴ糖が含まれているからです。無糖ヨーグルトでは味気なくて続かないという方も、はちみつの甘い味が味方になります。

白砂糖のGI値は110なのに対して、はちみつのGI値は30~60程度です。生はちみつだとGI値が比較的低くなります。甘味料を変えて血糖値の上昇を抑えることで、脂肪を貯めにくい体にすることができます。

(※GI値:グリセミック・インデックス(Glycemic Index)の略。食べ物が体内で糖に変わり血糖値が上昇するスピードを計ったもの。ブドウ糖をGI値100とし、相対的に表している。)

3、キウイと一緒に食べる

ヨーグルトは果物と一緒に食べて、腸内細菌のエサとなる食物繊維を同時に摂取しましょう。

食物繊維の多いキウイとヨーグルトを一緒に食べるのがおすすめです。キウイはりんごやオレンジ、みかんの倍ほどの食物繊維が含まれているんです。さらに果物の中でも「ショ糖」の含有量が比較的少ないので、血糖値の急上昇を抑えることができます。

食物繊維が多い果物とヨーグルトを一緒に食べることで、ヨーグルトは体の中のいい菌を増やし、果物は腸内細菌のエサを補給するので、腸内細菌がより活発に活動するようになり、バランスが整えられます。

4、バナナ×きなこと食べる

バナナ、きなこにも、はちみつと同様に腸内細菌のエサとなるオリゴ糖が含まれています。美味しさの面からみても、ヨーグルトよバナナ、きのこは相性がとても良いですね。大豆製品であるきなこは、良質なタンパク質も含まれています。

ただし、1食分のカロリーには注意しましょう。バナナは1本85~100kcal程あります。朝食で他のものも食べるのであれば、バナナは半分くらいにしておくと良いでしょう。

5、1日150gのヨーグルトを毎日食べる

ヨーグルトは、1日100~150gを目安に食べましょう。ヨーグルトには脂質も含まれているので、食べ過ぎはダイエットや美肌にもあまり良くありません。脂質が気になる方は、脂肪ゼロのヨーグルトを選んでみても良いですね。