九州の玄関口であり、かつて国際貿易港として栄えた福岡県・門司港。明治・大正期のレトロな建築物から名物「焼きカレー」が味わえるお店、さらに夜景を楽しめるスポットまで見どころ満載!初めての方でも1泊2日で観光やグルメを楽しめる、筆者考案のモデルコースをご紹介します。
門司港ってどんなところ?
明治・大正期、かつて国際貿易港として栄えた福岡県・門司港(もじこう)。九州地方に鉄道が開通したことをきっかけに貿易が発展し、九州の玄関口として栄えました。
当時、様々な洋館が建てられましたが、現在は、レトロな建築物を活かしたノスタルジックな街並みが残されており、グルメやショッピングを楽しめるスポットとして観光客に人気を集めています。基本的に徒歩圏内に観光やグルメスポットが集まっており、1~2日間で楽しめます。
門司港までは、小倉駅からJR鹿児島線で約15分で行くことが可能。また下関駅からはJR山陽線で門司(もじ)駅で乗り換えた後、約8分でアクセスできます。また下関にある唐戸(からと)ターミナルから連絡船に乗っていくこともでき、約5分で最寄りのマリンゲート門司に到着します。
【1日目】大正ロマンあふれる「門司港レトロ街」を散策しよう!
10:00 門司港駅到着
旅の始まりは、JR門司港(もじこう)駅から!観光の拠点でかつ、街のシンボルとして有名な門司港駅は、約6年の改修工事を終え、2019年3月、大正時代に創業した当時の姿に蘇りました。風格のあるレトロな駅舎の前で、記念写真を撮ってみるのもおすすめですよ♪
10:05 本日宿泊するホテルで荷物を預ける
駅に到着したら、本日の宿泊先へ荷物を預けに行きましょう!今回筆者が宿泊するのは、門司港駅から歩いてすぐのところにある「プレミアホテル門司港」。門司港のポートサイドにあるデザイナーズホテルで、門司港散策の拠点にもピッタリです。
10:15 「門司港レトロ街」を散策!
昔のターミナルビルをリノベーション!「旧大阪商船」
ホテルに荷物を預けたところで、門司港の散策を始めましょう!最初に訪れるのは、ホテルから歩いてすぐのところにある「旧大阪商船(きゅうおおさかしょうせん)」。大正時代に建てられた建物で、かつては外国航路のターミナルとして利用されました。
1階は北九州にゆかりのあるイラストレーター・わたせせいぞう氏のギャラリーのほか、北九州ゆかりの作家の雑貨を集めたギャラリーショップやカフェを併設。また当時、門司港の銀行で使われていた金庫もあり、自分で開けられるので、ぜひチャレンジしてみては。
アインシュタインも宿泊した大正モダンな社交倶楽部「旧門司三井倶楽部」
門司港駅から歩いてすぐのところにある「旧門司三井倶楽部(きゅうもじみついくらぶ)」。三井物産の接客・宿泊施設として建てられた建物で、ドイツ生まれの物理学者・アインシュタインが宿泊した部屋や、山口生まれの小説家・林芙美子(はやしふみこ)の記念室が残されています。
また1階には、和洋レストラン 三井倶楽部が入っており、門司名物の焼き海鮮カレー(税込1,496円)や、ふぐ料理を味わえます。
レンガ造りのモダンな装飾に注目!「旧門司税関」
港の反対側に位置する「旧門司税関(きゅうもじぜいかん)」。昭和初期まで門司の税関庁舎として使われていた建物で、レンガ造りのモダンな装飾と風格のある雰囲気を感じられます。周辺には、港を望むベンチも設置されており、美しい関門海峡の風景も眺められます。
1階には税関資料コーナーがあり、税関の歴史について学べるほか、カフェも併設しており、新鮮なフルーツを使ったパフェやフルーツジュースを味わえます。また上階には、ギャラリーや展望室も備えており、門司港の眺望を楽しめます。
茶色と白のコントラストの美しい洋館「大連友好記念館」
北九州市と中国・大連の友好都市締結15年を記念して平成6年(1994年)に建てられた「大連友好記念館(だいれんゆうこうきねんかん)」。茶色と白のコントラストが美しい外壁が特徴で、1階は海鮮中華料理を提供するレストラン、2階は誰でも自由に出入りできる休憩室があります。
12:00 地元で人気のレストランでランチを堪能
門司港レトロ街を散策した後は、ランチを味わいましょう!今回筆者が訪れたのは、レストラン「王様のたまご」。地元の食材を使った洋食や焼きカレーを味わえるお店で、地元の方を中心に行列ができるほど、人気を集めています。
おすすめは、「王様デミグラスオムライス」。福岡県内の養鶏所から仕入れた新鮮な卵のみを使用しており、卵のふんわりとした食感と特製のデミグラスソースの濃厚な旨味を堪能できます。この他にも、じっくり煮込んだカレーに生卵とチーズをトッピングした「王様の焼きカレー」(税込880円)なども提供しています。
また福岡県産のブランドいちご「あまおう」を使ったパンケーキサンドやケーキを味わうのもおすすめ。しっとりとした食感と上品な甘さが絶妙です。食後にぜひ試してみては
【1日目】門司港の二大ミュージアムを見学しよう!
13:00 関門海峡の世界観を体感できる「関門海峡ミュージアム」
ランチを味わったところで散策を再開!ここからは、門司港周辺にある2つのミュージアムを見学しに行きましょう。最初にご紹介するのは、ベイエリアにある「関門海峡(かんもんかいきょう)ミュージアム」。関門海峡の魅力や歴史、港湾の仕組みにつけて体験しながら、学ぶことができます。
エレベーターで4階まで上がってチケットを購入した後、最初に迎えるのは、国内最大級のスクリーンを使った「海峡アトリウム」。4階から2階まで見ることができ、30分に1回、8分程度の映像が投影されます。関門海峡に生息する生き物たちと海中光景をCGで再現した「海峡の一日」や、門司港の歴史を紹介する「門司港ものがたり」など、4つの作品を鑑賞できます。
また4階~2階のスロープ側面にはモニターがあり、顔認証を使ったインタラクティブ体験ができます。コンテンツ内容はフロアごとに異なり、平安時代末期に行われた源平の戦いや、江戸時代、宮本武蔵(みやもとむさし)と佐々木小次郎(ささきこじろう)の巌流島(がんりゅうじま)の戦いに関するクイズ、釣り体験ができるコーナーなどがあります。
3階の「海峡歴史回廊」では、源平の合戦や巌流島の戦いのほか、幕末の下関講和会議(しものせきこうわかいぎ)など、関門海峡を舞台にした歴史を人形で再現。回廊を散策しながら、歴史の世界を体感できます。
5階の展望デッキでは、門司港レトロ地区をはじめ、下関市内の街並みなど関門海峡一帯を一望できるほか、2階の海峡体験ゾーンでは、海峡の保安や海運、海流のしくみ、海底探検など、映像を通して、ゲーム感覚で楽しく学べます。
関門海峡だけでなく、門司港の歴史について学べるのも見どころのひとつ。2階では、国際貿易港として発展し、バナナ輸入船の寄港地であったことから、「バナナの叩き売り(たたきうり)」に関する資料を展示しているほか、大正時代の門司港の街並みを再現したコーナーもあり、当時の賑わいを肌で感じることができます。
14:00 九州の鉄道の魅力を発信する「九州鉄道記念館」
かつて門司港には、九州発の鉄道会社「九州鉄道」の本社がありました。そのことにちなんで、九州で活躍した歴代名車両や資料の見学、運転体験ができるミュージアムが「九州鉄道記念館(きゅうしゅうてつどうきねんかん)」です。中央ゲートをくぐり、少し歩いたところにある「本館」は、明治時代に建てられた九州鉄道の本社屋を使用しています。
最初に迎えるのは、車両展示場。駅のホームのように思わせる展示場には、“ごくろうさんよ”の愛称で親しまれた蒸気機関車「59634号」や、寝台車、博多と宮崎を結ぶ「にちりん号」や、博多と熊本を結ぶ「有明(ありあけ)号」といった特急電車で使われた車両など、9台の車両が展示されています。
本館の1階には、明治時代に製造された客車が展示されています。昭和初期ごろまで活躍した車両で、客車内を見学することもできます。ミュージアムに訪れた記念として、写真を撮ってみては。
また九州を舞台にした鉄道模型の大パノラマも見どころのひとつ。大型スクリーンに映し出される映像と音声に合わせて、九州新幹線「つばめ」や、博多と大分を結ぶ特急「ソニック」、博多と大分・由布院(ゆふいん)を結ぶ「ゆふいんの森」など、約10分間のショーを体験できます。
2階の常設展示コーナーでは、列車のヘッドマークや蒸気機関車、人気列車の模型、実物資料など、数々の貴重な鉄道資料を展示。駅員の歴代の制服や、長距離切符などもあり、鉄道ファンの心を動かす資料も見ることができます。
鉄道の運転士気分を味わいたい方には、1階の運転シミュレーターを体験するのもおすすめ。JR鹿児島線を走る通勤電車をモチーフにした運転台で、門司港~折尾(おりお)間の運転体験を楽しめます。また外にあるミニ鉄道公園でも、特急「ソニック」や、博多と長崎を結ぶ特急「かもめ」など、5種類のミニ列車を運転できるので、ぜひ試してみては。