年収300万円~500万円の税金を試算
では、税金の金額は実際どのくらいになるのか、収入が300万円・400万円・500万円の「独身・扶養なし・介護保険あり」のケースで、それぞれの所得税と住民税を計算してみましょう。計算には次の表1と表2を使います。
(表1)給与所得控除速算表
※給与所得控除額は2018年11月末日現在の税制に基づいています。2018年度の税制改正により、2020年1月1日から新税制による控除額が適用されます。
(表2)所得税速算表
年収300万円の場合
<所得税の計算>
【基本データ】
- 年収 300万円
- 社会保険料 47万3400円
- 基礎控除 38万円
- 給与所得控除 年収の30%+18万円(表1より)
所得税率 5%(表2より) 【計算手順】
(1) 所得=年収-給与所得控除=300万円-(年収の30%+18万円)=300万円−108万円=192万円
(2) 所得控除=社会保険料47万3400円+基礎控除38万円=85万3400円
(3) 所得税額=課税所得((1)-(2))×所得税率5%=(192万円ー85万3400円)×5%=5万3300円所得税額=5万3300円
【解説】
- 給与所得控除は、表1から、年収300万円の場合「年収の30%」+18万円になるため108万円です。年収300万円から控除額を差し引くと、所得は192万円になります。
- 社会保険料の47万3400円と、一律で控除される基礎控除38万円を足した85万3400円が所得控除額になります。
所得の192万円から所得控除額85万3400円を差し引いた106万6600円が課税所得です。表2から、この課税所得に対する所得税率は5%ですので、所得税は5万3300円になります。 <住民税の計算>
【計算手順】
(1) 課税所得=収入300万円-給与所得控除108万円-社会保険料47万3400円-基礎控除33万円=111万6600円
(2) 所得割=課税所得111万6600円×10%(標準税率)=11万1600円
(3) 均等割=5000円
(4) 所得割11万1600円+均等割5000円=11万6600円住民税額=11万6600円
【解説】
- 給与所得控除・社会保険料の控除は所得税と同じですが、住民税の基礎控除は33万円で計算します。
- (1) で算出された課税所得111万6600円の10%(標準税率)が所得割11万1600円となります。
- 所得割11万1600円と均等割(標準税率)5000円で住民税11万6600円になります。