働く親が子どもの教育と向き合う方法
編集部:竹内さんのご家庭は共働きでありながらも、工夫しながらお子さんの自宅学習に取り組まれていらっしゃって本当に素晴らしいなと思いました! しかし、多くの働くママたちは帰宅してから寝るまでの間で子どもとの学習時間を思うように作れないというジレンマを感じている方が多いと思います。そんなママたちにアドバイスをお願いします!
竹内:世の中の働くお母様方は本当にすごいことをされているなという率直な尊敬の思いがあります。その上で語弊を恐れず申し上げますと、特に首都圏や都市部にお住まいの働くお母様の場合は、専業主婦(夫)家庭の教育水準とどこかで争うタイミングが来るということを覚悟しておいた方がいいかと思います。そのうち確実に向き合うことになります。
編集部:これは働くママたちが特にモヤモヤするポイントですね。
竹内:本当にそうなんですよね。中学校受験をさせようと思った場合、みなさん、ずいぶん早い段階から準備をされています。専業主婦(夫)の方なら自宅で子どもに付き添って勉強を見たうえで、かつ塾に通わせてという人たちが存在します。そのため中学受験に関して、どうするのかは早めに決めておいた方が心穏やかでいられるだろうと思います。
編集部:耳が痛いお話です。今の生活が慌ただしく、今後のことをつい後回しにしてしまいがちなので…
竹内:後になって「そうだったんだ」と不甲斐ない気持ちになったり、「小5だけどやっぱり中学校受験させよう」と親子で無理をしたり、後になって苦しまないための選択をしていただくことが大切だと感じます。
編集部:何事も早めにすることで損はしませんからね。
竹内:その通りです。向き合うのが遅くなればなるほど理不尽に感じたり、自分が何故この意思決定をしなくてはいけないのだろうと感じたり、納得できない現実に直面することがあります。
ですので、働くお母様方へのアドバイスとしては早めに現実を知ること。さらに言えば、最も進んでいる家庭の教育水準を知った上で、出来る範囲で何をするかを早めに決めておくことは非常に重要だと思います。
編集部:心にグサリと刺さります! ためになる貴重なお話、ありがとうございました!
家事、子育て、仕事をこなすだけで手一杯の毎日のなかで、つい見て見ぬふりしていた子どもの教育問題。竹内さんの話をお伺いして、あらためて現実を突きつけられたような気分になりました。そしてこの取材を終え、わが家でも「朝30分、夜30分」を実践し、この先の未来のことを建設的に夫婦で話す時間を設けることにしました。すべてが理想通りに進むわけではありませんが、親子が納得して前に進んでいくためにも、今やれることに取り組んでいくことは大切なことですよね。私個人としては、毎日慌ただしく過ぎていく日々を後で振り返って後悔しないよう、親としてできることを一つひとつ大切にしていきたい、そんな初心に戻してくれるような今回の取材でした。
竹内孝太朗さんプロフィール
名古屋大学経済学部卒。2010年に株式会社リクルートに入社。2013年から「スタディサプリ」にて高校向けサービスの立ち上げに従事。全国の高校1,000校を行脚し、学習到達度測定テスト、オンラインコーチングサービスの開発を行う。2016年に代表取締役CTOの畔柳とモノグサ株式会社を共同創業。学習プラットフォーム「Monoxer(モノグサ)」の開発と運営を手掛ける。現在、塾や学校を中心に全国3,000教室以上にて活用されている。プライベートでは3児の父であり、休日は子どもと一緒に「Monoxer」で勉強をしている。
提供・LAXIC
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