せっかくの野菜を、なるべく長く、おいしく。 みなさんは「野菜の保存」、正しくできていますか? 食材の中でも鮮度をたもつのが一番難しそうなのが、野菜。実は保存方法を間違えている人が多いという話をよく聞きますし、私自身、最近まで知らなかったことも正直あります。
そこで今回は、意外と知らない「野菜の正しい保存方法」についてご紹介してみたいと思います。野菜の保存方法についてはさまざまなところで紹介されていますが、すべてがしっくりくるものでもありません。サステナビリティ等の視点を交えながら、より実践しやすい方法を考えてみました。
基本は「呼吸」を抑えて、「乾燥」を防ぐこと
野菜は収穫後も「呼吸」などの生命活動を続けています。この呼吸作用によって、蓄えた糖・ビタミンなどの栄養分や水分が消耗し、品質や鮮度が劣化していきます。また、一部の野菜や果物が多く生成すると言われる「エチレン」という物質が、周りの野菜の老化を早めることも。
鮮度を保つためにまず大切なのが、「呼吸を抑えること」。野菜の品温(=管理するべき被滅菌物の内部温度)を10度下げると呼吸が1/2~1/4になると言われ、栄養分の分解や水分の蒸散、エチレン生成を抑えることができます。
また、同時に「乾燥」を防ぐことも重要です。そして今回、もっとも知るべきは、野菜ごとに“適正温度”が違うということなのです。さっそく具体例を紹介していくことにしましょう。
低温障害の出るジャガイモ、ナスは、常温で
カビが生えそう、柔らかいからという理由で、ついつい冷蔵庫に入れてしまいがちなジャガイモやなす。実は冷蔵庫の温度は低すぎるために、品質(褐変・斑点・食感変化など)や栄養分の劣化につながることがわかっています。
ジャガイモは光を当てずに、ナスはポリ袋に入れて15度までの冷暗所(常温)に置くことが推奨されています。これから温かくなる季節に15度以下というのもなかなか難しいでしょうから、これらはなるべく早めに使い切り、ストックしすぎないことがポイントでしょう。
<その他常温保存が適している野菜> 白菜(新聞紙で包み立てる)、さつまいも(新聞紙で包む)、たまねぎ・にんにく(ネットやカゴに入れて吊るす)