従業員それぞれが当事者となる「税務面」のメリット

加え、副業拡大は従業員にとって更なるメリットを生む効果がある。それは「税金の知識が増えること」だ。

副業分の報酬は給与所得として受ける場合と、給与所得以外の報酬として受け取る場合がある。この場合、社員は「雑所得」として、原則20万円以上の場合に、確定申告をする必要がある(厳密には細かい条件があるが、本稿では本旨ではないため言及しない)。それまで税金関係は勤務先の人事部に「丸投げ」をすることが当たり前で、年末調整の時期になると生命保険料控除証明書など、扶養親族の証明書を提出することで「完了」している人が多いのではないだろうか。

副業になると所得になるため、ここに「必要経費」という考え方が生まれてくる。その報酬を得るのに支払った経費はどれくらいなのかを認識することで、大きく税金を抑えることが可能になる。その癖が本業に活きると、会社のお金として、どこか自分事で考えることのできなかった経費の考え方も、大きく変化するようになるだろう。そのようにして、本業にプラスの状況となって初めて、副業も「現場」で、広く認められるようになっていくのかもしれない。

文・工藤 崇(FP-MYS代表取締役社長CEO、ファイナンシャルプランナー)/ZUU online

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