日本三名園と称される偕楽園、兼六園、後楽園。そして国内にはこの三大庭園にも負けない、美しい庭園が他にもまだまだ存在します。この記事では日本三名園と、同じく名園として名高い栗林公園、足立美術館、桂離宮を一挙にご紹介します!
日本三名園
水戸市の偕楽園、金沢市の兼六園、岡山市の後楽園がいつから日本三名園と呼ばれるようになったのか、確かな記録は残っていないものの、水戸市教育委員会が2011年に発行した『近世日本の学問・教育と水戸藩 2』によれば、明治中期ごろにはすでにこれらの庭園が三名園として広く知られていたとのこと。今もなおその美しさは健在で、それぞれ多くの観光客が訪れる観光名所です。
1.偕楽園(茨城県水戸市)
偕楽園は、天保13年(1842年)7月、水戸藩第9代藩主徳川斉昭公により造られました。造園の際、斉昭公自ら構想を練り、七面山を切り開いて創設させたと言われています。
偕楽園という名前は、「古の人は民と偕に楽しむ、故に能く楽しむなり(昔の人は、王も民もともに楽しんだ。ゆえに喜びも一層だった。の意)」という、中国の古典『孟子』の一節から名づけられています。
13haに及ぶ広大な敷地には、約100種類3,000本の梅が植えられており、梅の名所として広く知られています。2月下旬から3月にかけての梅まつりを皮切りに、桜、つつじ、秋には萩、初冬には二季咲桜と、季節に応じてたくさんの花々が訪れる人を楽しませてくれます。
2.兼六園(石川県金沢市)
加賀藩の5代目藩主・前田綱紀が建てた別荘の周辺を庭園としたのが兼六園の始まりと言われています。昭和60年(1985年)には国の特別名勝に指定。これは庭園の国宝とも言える最高の格付けです。2009年には『シュラン・グリーンガイド・ジャポン 』でも最高ランクの三つ星を獲得しました。
庭園の敷地は11万4千㎡と東京ドームの2倍以上の広さを誇り、園内のいたるところで美しい景観を楽しむことができます。季節ごとに庭園内をライトアップする「四季物語」も人気です。
3.後楽園(岡山県岡山市)
岡山後楽園は、岡山藩主池田綱政が家臣に命じ1687年(貞享4年)に着工、1700年(元禄13年)に完成しました。昭和27年には特別名勝に指定され、歴史的文化を後世に伝えています。
園内は広い芝生地に池や築山、水路などが配され、歩きながら移り変わる景色を眺めることができるように作られた回遊式庭園で、『シュラン・グリーンガイド・ジャポン 』で三つ星を獲得したことで世界的に知られるようになりました。
期間限定でライトアップイベント「幻想庭園」が開催され、昼間とは違った妖艶な庭園の姿を楽しめます。