(本記事は、佐藤達夫氏の著書『外食もお酒もやめたくない人の「せめてこれだけ」食事術』=株式会社ウェッジ、2020年1月18日刊=の中から一部を抜粋・編集しています)

「野菜をたくさん食べる」という行為(とりわけ食習慣)には、野菜の栄養素を摂取できるということ以外に、さまざまな要素が含まれる。たとえば、野菜をたくさん食べる人は(その分だけ)主食の食べ過ぎになってないかもしれない。たとえば、脂肪やタンパク質の過剰摂取になってないかもしれない。結果的に「栄養バランスがいい人」なのかもしれない。

さらにいえば、このご時世に「野菜をたくさん食べている」という人は、食事以外でも健康に気を付けている人なのかもしれない。運動もしっかりやっている人なのかもしれない。それらの総合的な習慣が、その人を健康にしているという可能性もある。野菜に含まれる栄養素だけの影響ではないかもしれないのだ。

この点を理解しないで「野菜ジュースさえ飲めば健康問題は解決する」と思ってはならない。

ただし「野菜ジュースは健康的に何の役にも立たない」というわけではない。普段健康的な食生活を心がけている人が、たまたまその日は野菜不足になるからという理由で野菜ジュースを(補助的に)飲用する、ということであれば、きわめて有効な使い方(食べ方)になるであろう。甘味飲料や炭酸飲料、ましてやアルコール飲料を飲むよりははるかに健康的ではある。

しかし、多くの人は逆になる。どういうことかというと「野菜ジュースを飲んだから(飲んでいるから)野菜を食べなくてもいい」となる。さらには「健康を考えた食生活などしなくてもすむように、とりあえず野菜ジュースを飲んでおく」という人さえいる。これではまさしく逆効果で、野菜ジュースを飲むこと(青汁などでも同じこと)が不健康を招くことにさえなりかねない。

これは、忙しいビジネスパーソンこそが陥りやすい〝落とし穴〟なので、充分に気を付けたい。

外食もお酒もやめたくない人のせめてこれだけ食事術
佐藤達夫(さとう たつお)
1947年千葉県千葉市生まれ。1971年北海道大学水産学部卒業。1980年から女子栄養大学出版部へ勤務。月刊『栄養と料理』の編集に携わり、1995年より同誌編集長を務める。1999年に独立し、食生活ジャーナリストとして、さまざまなメディアや各地の講演で「健康のためにはどのような食生活を送ればいいか」という情報を発信している。日本ペンクラブ会員、前食生活ジャーナリストの会代表幹事、元女子栄養大学非常勤講師(食文化情報論)。著書に『食べモノの道理』(じゃこめてい出版)ほか多数。

※画像をクリックするとAmazonに飛びます


【こちらの記事も読まれています】
主婦がつみたてNISAを始めるメリット・デメリット!iDeCoとの違いも解説
主婦が投資を始めるなら少額から始められる「つみたてNISA」がおすすめ!
なぜ主婦が投資を始めると将来のお金の不安が解消されるのか
主婦が株に投資する3つのメリット。扶養から外れない方法と大損しない方法を解説

ネット証券おすすめ一覧