日本全国で夏の風物詩である盆踊り。地元の人しか知らないような小規模のものから、何十万人と観光客が訪れる大規模なものまでさまざまです。いくつもある盆踊りの中で、日本三大盆踊りのひとつである「西馬音内盆踊り」は、ちょっとエッチでワイルドなお囃子や、上品で流れるような優雅な踊り、そして亡者のような衣装が、かがり火に照らされ、この世のものとは思えないあやしく幻想的な盆踊りです。一度見た人は、その強烈な印象に根強いファンになってしまうという、不思議な盆踊りをご紹介します。

日本三大盆踊りはどこの盆踊り?

今回ご紹介する「西馬音内盆踊り」は、日本三大盆踊りのひとつです。盆踊りって全国で催されていますが、日本にいくつあるかご存知ですか?

伝統的なもので約500。ですが、地域振興などで新しい盆踊りが開催されており、その数はどんどん増えています。

あやかしの世界観あふれる日本三大盆踊り【秋田・西馬音内盆踊り】
(画像=PIXTA トリップノートより引用)

数多くの盆踊りの中から三大と言われるのが、徳島県の「阿波踊り」、岐阜県の「郡上踊り」そして秋田県の「西馬音内盆踊り」です。

西馬音内ってどう読むの?

さて、西馬音内盆踊りの「西馬音内」をどう読むかご存知ですか?これは難しいですよ。

正解は「にしもない」です。「西」→「にし」、「馬音」→「も」、「内」→「ない」と読みます。「も」は、なんと漢字2文字がくっついて1音で発音するという、通常の日本語にはない読み方。知らないと絶対に読めない単語ですね。

あやかしの世界観あふれる日本三大盆踊り【秋田・西馬音内盆踊り】
(画像=PIXTA トリップノートより引用)

順番に意味を解読していきましょう。「にし」は、「東西南北」の「西」ではなく、アイヌ語の「谷」の意味であるニシを漢字に置き換えたもの。「も」も同じくアイヌ語で「小さい」の意、「ない」は「沢」だそうで、「小さい沢の流れる谷」を意味する地名なわけですね。

どうやって?いつ見に行くの?

どうやって行くの?

秋田県羽後町(うごまち)にある西馬音内地区は、残念ながら大きな地区ではありません。そのため宿泊施設や交通手段が限られています。盆踊りの開催期間は、車で1時間圏内の宿はすべて満室になります。交通も最寄りの駅からは車でないと行けない距離にあり、ぷらっと行くには難易度が高いのです。

そのため、最初は旅行会社が開催するバスツアーに参加するのがいいでしょう。

あやかしの世界観あふれる日本三大盆踊り【秋田・西馬音内盆踊り】
(画像=PIXTA トリップノートより引用)

普段からバックパッカー的な旅に慣れているのであれば、ドミトリー感覚で宿泊するホームステイがいいかも。ホームステイ先で知り合った人と一緒に、踊りを見に行くのも楽しいですよ。

車中泊に慣れているのであれば、自走していくのが自由度が高くていいかもしれません。盆踊り会場の徒歩圏内には、2016年7月1日にオープンした道の駅、道の駅うご「端縫いの郷」があります。盆踊り期間は、根強いファンがキャンピングカーで訪れます。

いつ行くの?

西馬音内盆踊りの開催期間は、毎年8/16,17,18の3日間です。秋田では、お盆は13日に迎え盆、16日が送り盆となっていますが、この送り盆から3日間です。

この期間、夜の7時半から盆踊りがスタートします。最初は子供や、初心者が踊る時間帯です。ベテランは、子供たちを寝かしつけた夜9時から踊り始めます。熟練の踊りに焦点をあわせるなら、夜9時から見に行くといいでしょう。終わりは11時半まで続くので、たっぷりと楽しめます。