月に関する言葉をご紹介!
日本では古くから、中秋の名月など夜空に浮かぶ綺麗な月を愛でる習慣が息づいています。また明治までは月の満ち欠けによって暦を定め、季節を過ごしてきました。
そのため月そのものやその満ち欠け、月夜に関する美しい言葉が、数多く存在しているのです。
今回は、そんな月に関する美しい日本の言葉やおしゃれな表現をご紹介します。ふと家族と夜空を見上げた時や、月明かりの中誰かと連絡をとっている時に、綺麗な月の言葉を話題にしてみてくださいね。
月に関する言葉《新月》
そもそも新月とは、どんな意味なのでしょうか?新月とは、地球から見た月と太陽の方向が同じになって、太陽の光が届かなくなり、地球には月が暗い面を向けるので、私たちからは月の姿が見えなくなる状態のことを表現します。
またその月が見えない状態を過ぎたころの、細く見える三日月のことをいう場合もあります。今日は綺麗に晴れた夜なのに、月が見えないなと思ったらその日は新月なのかもしれませんね。
ここでは新月に関する言葉について見ていきましょう。
新月の瞬間の綺麗な別名「朔」
新月の別名に「朔」という言葉があります。読みは「さく」で、逆戻りを意味する「屰」と「月」を組み合わせた漢字で、月が満ち欠けして新月の状態に戻っていくことに由来しています。
この言葉は新月の、まったく月の見えない状態の意味に相当します。太陰暦では朔の状態が月の始まりに相当するので、「朔日」や「朔」をついたちと訓読みすることもできるのですよ。
メールや手紙など、文章で月の初めを表現する時に使うとおしゃれかもしれませんね。
新月から変化していく月「盈月」
「盈月」は「えいげつ」と読みます。新月から満月へと、丸く月が変化していく様子のことを言います。
逆に満月から新月へと月が欠けていくのは「虧月(きげつ)」と言いますので合わせて覚えておくと良いでしょう。こちらは日常生活では、まず聞いたことが無い言葉ではないでしょうか。
ですが「盈」という漢字自体に満ちるや満たす、いっぱいになるという意味があるので、それを「月」と組み合わせて、月の変化を表現していると考えるとわかりやすいですね。
明け方に残る月を表現する美しい言葉「暁月」
夜明け頃の空に残っている月のことを「暁月(あかつきづき、ぎょうげつ)」や「暁月夜(あかつきづくよ)」と言います。
暁に残っている月全般ではなく、下弦の月(半月)の状態から新月の手前の細い月が、明け方に残っているような状態を表現します。なんだか幻想的で、美しいけれど少し寂しいような、そんなイメージです。
他にも少しニュアンスが違いますが「有明けの月」や「残月」という言葉もあるので、この時間帯の月も日常的に表現されていたことがうかがえますね。