老後も自宅で暮らしたいと思っていても、体が不自由になったり介護が必要になったりすると、自宅での生活が困難になることも考えられます。老後を自宅ではなく、高齢者専用の住居施設で過ごす場合、どのような選択肢があるのでしょうか。代表的な3つの施設の特徴を見てみましょう。
サービス付き高齢者向け住宅
サービス付き高齢者向け住宅とは、バリアフリー構造で見守りサービスなど契約に関する基準を満たす賃貸住宅のことです。原則、居室の広さは25平方メートル以上で、キッチンやトイレ、収納、洗面設備、浴室を備えています。少なくとも日中はケアの専門家が建物に常駐し、安否確認や生活相談などのサービスを行います。
介護が必要になった場合には、地域の訪問介護などの介護サービスを利用します。入居費用は、入居時に約44万円、月額費用は約20万円が相場となっています(2019年12月の東京都。LIFULL調査より)。
有料老人ホーム
有料老人ホームは、食事や生活支援、介護などのサービスが受けられる居住施設です。有料老人ホームは受けられるサービスにより、「介護付き有料老人ホーム」「住宅型有料老人ホーム」「健康型有料老人ホーム」などに分類されます。
介護付有料老人ホームでは、食事の提供や24時間体制での介護、リハビリ、健康管理などのサービスが受けられます。
住宅型有料老人ホームでは、食事の提供や生活支援などのサービスが受けられますが、介護が必要になった場合には訪問介護などの介護サービスを利用します。
健康型有料老人ホームは、介護の不要な元気な高齢者を対象としていて、食事などのサービスが受けられます。スポーツジムなどの設備が充実している一方、介護が必要になった場合には、契約を解除して退去しなくてはいけません。
入居費用に関しては施設によって大きく幅があり、入居時には約830万円、月額費用は約27万円が相場となっています(前出のLIFULL調査より)。