現在アラフォーの人が退職するころには、65歳定年が定着しているでしょう。そうなると気になるのが65歳の退職時点で受け取る退職金の額です。そこで、この記事では厚生労働省の「退職給付(一時金・年金)の支給実態(2018年度)」より現時点の退職金平均金額を解説しつつ、65歳で受け取る退職金の計算方式についても4つ紹介します。
勤続20年以上中途退職者の退職金の平均
勤続20年以上で中途退職した場合の退職金の平均額はいくらでしょうか。厚生労働省の「退職給付(一時金・年金)の支給実態(2018年度)」から読み解いてみましょう。
勤続20年以上の中途退職者の退職金平均は約1,600万円
勤続20年以上45歳以上における中途退職者の退職金の平均額は約1,600万円です(1万円未満四捨五入)。
<学歴・業務形態ごとの平均>
大卒・大学院卒 (管理・事務・技術職) |
高校卒 (管理・事務・技術職) |
高校卒 (現業職) |
---|---|---|
2,000万円 | 1,714万円 | 1,088万円 |
定年退職者の退職金の平均額
次は定年退職者の退職金の平均額をチェックしましょう。2020年時点では60歳定年が主流のため、参考程度にはなりますが「退職給付(一時金・年金)の支給実態(2018年度)」をもとに平均額を見ていきます。
勤続20年以上45歳以上の退職金平均額
勤続20年以上45歳以上の人の退職金の平均額は約1,586万円(1万円未満四捨五入)です。
<学歴・業務形態ごとの平均>
大卒・大学院卒 ※管理・事務・技術職 |
高校卒 ※管理・事務・技術職 |
高校卒 ※現業職 |
---|---|---|
1,983万円 | 1,618万円 | 1,159万円 |
勤続35年以上45歳以上の退職金平均額
45歳以上勤続35年以上の場合、退職金の平均額は約1,919万円(1万円未満四捨五入)です。
大卒・大学院卒 ※管理・事務・技術職 |
高校卒 ※管理・事務・技術職 |
高校卒 ※現業職 |
---|---|---|
2,173万円 | 1,954万円 | 1,629万円 |
いずれのケースでも学歴が高い人や管理・事務・技術職の退職金が高めです。また勤続年数の長さが退職金の算定に影響を与えていることもうかがえます。
65歳で退職金はいくらになる?4つの計算方法をご紹介
ここまでは、60歳定年主流の現時退職金の平均額を紹介しました。しかし定年が65歳になれば、退職金の金額も変わるでしょう。そこで65歳で受け取る退職金の見込み額を計算する方法を4つ紹介します。
1 定額制
勤続年数や退職時の年齢をもとに退職金の支給金額が固定されている方式です。こちらは自分の勤務先で確認することになります。
2 基本給連動制
在職中の基本給をもとに勤続年数や退職理由なども考慮に入れて退職金を計算する方式です。会社によっては役職も考慮されます。
<計算式>
退職金=退職時の基本給×支給率(勤続年数により変動)×退職事由係数
この方式では勤続年数が長く会社への貢献度が高いほど退職金が高くなる傾向です。
3 別テーブル制
役職や等級によって異なる「基礎金額」をベースに退職金を算出する方式です。
<計算式>
退職金=基礎金額×支給率×退職事由係数
勤続年数をもとに算出される「支給率」や退職理由を考慮した「退職係数」も計算式に含まれます。
4 ポイント制
ポイント制は、1年ごとに勤続年数、職能・等級、役職などをポイント化して退職金の計算を行う方式です。
<計算式>
退職金=在職中の累積ポイント(勤続・職能ポイントなど)の合計×1ポイント当たりの単価
ポイント制を採用する企業の多くは「勤続ポイント+職能ポイント」または「職能ポイントのみ」で退職金を算出している傾向です。
65歳でもらえる退職金を予測して老後のマネープランを立ててみよう
アラフォー世代は、住宅の購入や子どもの進学などで非常にお金がかかり老後のマネープランまで気が回らないかもしれません。しかし子どもが自立するころにはもう退職時期に差し掛かっていることも少なくありません。老後の生活についてノープランのままでは、退職金を漫然と使ってしまう危険があります。
さまざまなリスクを回避するためにも退職金のシミュレーションを事前に行い老後のマネープランに役立てましょう。
文・大岩楓
元銀行員ライター。預金・為替業務に長く携わった経験をもとに、節約などの記事を多数執筆。現在はジャンルを広げて教育系の資格を生かした記事まで幅広く執筆。
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