共働き夫婦の場合、育児については実家の両親からサポートしてもらっている場合も多いでしょう。しかし、実家が遠方であったり、両親の都合がつかなかったりして、どうしても両親に頼ることが難しいケースもあります。あるいは、両親との関係があまり良くないために頼りたくないという方もいるかもしれません。

そうなると、どちらも優先度が高い仕事と育児を両立させるのは非常に大変なことです。今回は、両親に頼れない場合でも子育てをラクにする方法について、ご紹介します。

親に頼らず子育てできている夫婦の特徴

ここでは、両親に頼らなくても子育てができている夫婦にはどのような特徴があるかについて、代表的な例を3つ、ご紹介します。自分の家庭がひとつでもあてはまるかどうか、チェックしてみてください。

勤務時間の都合がつきやすい

子育てをしていると、子どもが急に熱を出したり体調を崩したりすることがあり、仕事中でもお迎えに行かなければならない場合があります。また、熱が出てから24時間以上を経過しないと登園できない保育園もあり、子どもを見守るために夫婦のどちらかが仕事を休まなければならない場合もあるでしょう。そのようなときに急な早退や欠勤ができる職場であれば、両親の助けがなくても子育てをこなせます。

また、ふだんから夜遅くなる前に帰宅できたり、子どものための休みを取りやすかったりする仕事であれば、夫婦だけでも育児をしやすいでしょう。中には、子どものために都合がつきやすい職場へ転職するケースもあります。

夫婦で家事・育児の分担ができている

夫婦のどちらかに家事・育児の負担が集中していると、突発的なケースにおいて臨機応変な対応が難しい場合があります。いざというときに柔軟に対処するためには、夫婦のどちらかに負担が偏らないように、普段ふだんから家事と育児を分担しておくことが大切です。

両親に頼らず子育てをしている夫婦は、育児中に起こりがちな不測の事態を想定して、事前に話し合いができています。「子どもが急に体調を崩した場合、どちらが早退してお迎えに行くか」などについて、あらかじめシミュレーションしておきましょう。

家事・育児の便利なサービスを活用している

「家事や育児は夫婦だけで完結しなければいけない」という思い込みから自由になると、両親に頼らなくても夫婦だけで子育てがしやすくなります。共働き世帯の増加に伴い、子育てや家事の負担を軽減できるサービスを積極的に使っている夫婦が増えています。

その分、お金はかかりますが、節約のために無理をして余裕をなくしてしまっては本末転倒ではないでしょうか。それより、金銭的コストをかけても心身の負担を軽くして、日々を穏やかに過ごすことを目指す方法もあります。そうすれば、両親の手を借りることができなくても、子育ての負担を減らせるでしょう。

子育てをラクにする5つのテクニック

ここでは、上で紹介した夫婦の良い面を参考に、子育てをラクにする5つの方法をご紹介します。事前に手続きが必要なサービスもあるので、早めに準備を始めましょう。

1.自治体・民間のサービスを活用する

子育てを支援するサービスは自治体・民間でいくつかあるので、積極的な活用がおすすめです。主な2つをご紹介します。

まず、ファミリー・サポート・センターは一般財団法人女性労働協会が地方自治体と提携して実施している事業で、子育てや介護などの支援を依頼したい人と引き受けたい人をマッチングします。サービスを利用したい場合は事前に会員登録が必要です。最寄りのファミリー・サポート・センターを探すには、自治体のホームページや一般財団法人女性労働協会を参照するか、役所の子育て支援課に問い合わせてください。

次にNPO団体「フローレンス」は首都圏で訪問型病児保育や障害児保育、小規模保育などのサービスを提供しています。利用したい当日8時までに依頼すれば100%対応してもらえ、インフルエンザや水ぼうそうといった感染症の子どもにも対応が可能です(はしかは除く)。また、団体と提携している医師の往診も手配してくれます。利用するには月額会員登録が必要です。

2.病児保育施設を利用する

子どもが急に体調を崩して登園できないけれど、仕事を抜けることがどうしても難しい場合もあるでしょう。そのような場合は、「全国病児保育協議会」加盟の病児保育施設を利用する方法もあります。北海道から九州・沖縄まで、全国に加盟施設があるため、どこに住んでいる方でも利用しやすいでしょう。ただし、利用にあたっては事前登録と年会費納入が必要です。突然起こる子どもの体調不良であわてずに済むように、小さい子どもを持つ共働き夫婦なら早めに登録しておくことをおすすめします。

3.子育て・家事は夫婦で協力する

普段ふだんから、子育てと家事のルールについて、夫婦で話し合っておきましょう。何でもかんでも公平に分担しようとするより、夫と妻、それぞれの得意なことや不得意なこと、できることに応じて役割分担を考えるほうがうまくいきます。

特に、子どもと直接かかわる時間が夫婦のどちらかに偏らないようにすることが大切です。普段からふだん、子どもの世話をしていない親が緊急事態にいきなり対応しようとしても、なかなかスムーズにはいきません。朝のお世話や登園・お迎えなどを妻が分担するなら、夫はお風呂のお世話や寝かしつけをするなど、無理がないように分担しましょう。

4.保育園や学童保育を活用する

保育園によっては親の都合を考慮して延長保育に対応してくれる場合があります。何時まで子供を預かってもらえるか、保育士と事前に相談してみましょう。延長保育を利用できるようになったことにより、育児と仕事の両立がしやすくなったというケースもあるのです。

子どもが小学校に入学すると、保育園時代よりも育児と仕事の両立が難しくなるといわれています。いわゆる「小1の壁」です。学童保育は共働き夫婦が「小1の壁」を乗り越えるために必須といわれるもので、「放課後児童クラブ」が正式名称とされています。仕事などの理由で親が日中いない子どもを対象に、小学校の放課後に学校の教室や校外の児童館、保育園を利用して預かってくれます。夏休みなどの長期休暇には早い時間からの利用も可能です。学童には公立と民間組織が運営するものがあり、利用時間は一般的に18時までですが、近年はもっと遅くまで預かってくれるところも増えてきました。

5.時短家電を導入する

共働き夫婦が両親の助けを借りずに子育てする場合は、忙しくて子どもの相手や家事に十分な時間を割けないことも多いでしょう。せめて、育児の時間を増やすために、家事を時短できる便利な家電を導入するのもおすすめです。

ドラム式洗濯乾燥機があれば、夜に洗濯物を入れてスイッチを押すだけで朝には洗濯物が乾いています。食器洗いも意外に時間がかかる家事ですが、食器洗い乾燥機を導入すれば数十分~1時間×食器を洗う回数分の時短が可能です。その他、自動調理鍋やおまかせ調理ができるオーブンレンジ、ロボット型掃除機なども家事の時短に役立ちます。