子供時代の愛情不足は後々大人になってからその人の人生に暗い影を落とします。親の愛情は子供にとって体への栄養と同じ、心の栄養です。今から親になる人、そして親の愛情不足が原因で今苦しい生き方をしている人に、愛情不足の子供についてお話します。
【愛情不足の子供】愛情不足は子供を苦しめる
子育ては大変です。
夫が子育てに協力的でない、義父母が厳しくて辛い…そんな事が続くと次第に母親の居場所もなくなって、心に余裕がなくなることもあるでしょう。
母親のストレスはそのまま子供に向かい、子供にあたることもあるかもしれません、また子供にかまってあげる余裕も愛情をかけてあげる余裕もなくなるかもしれません。
でも愛情不足を感じて育った子供は大人になってからも心に傷をかかえ、社会に適応できない、ふつうに恋愛ができなくなってしまいます。
愛情不足で育った子供はどんな風になるのか、特徴を見ていきましょう。 ドキリとしたら、一度立ち止まって自分を振り返って下さい。 気づいたときに方向転換して、改善しないと大変な事になってしまいます。
【愛情不足の子供】愛情不足の子供が出すサイン
子供はどんな子供でも自分の事を「愛情不足」だとは感じていません。認めたくない事実でもあるでしょうし、「愛されないこと」の意味がまず頭で理解できないからです。
でも愛情不足の子供は無意識にサインを出しています。子供の心が、体が、愛情を欲しているサインを出すのです。
愛情不足が軽度の時のサインは「ちょっと扱いにくい性格の子供」という風に表れるでしょうし、重度の場合は本当に「お腹が痛い」「頭が痛い」など身体上に病気のような症状が出てきます。
子供は一生懸命「ママが大好き!もっとこっちを見て」というサインを出しています。子供時代は性格を形成する大切な時期です、子供からのSOSの特徴に敏感になりましょう。
【愛情不足の子供】サイン①ワガママ
愛情不足が軽度の場合は子供の「ワガママ」という形で姿を現します。子供はまだきちんと言葉を使って自分の感情を説明することができません。いえ、自分の気持ちを言葉にして伝えるなんて大人だって難しい事です。結局伝えられない子供の想いはワガママとなって表れます。
「あれもいや」「これもいや」子供のイヤイヤ期は2歳ころがピークですが、それを過ぎてもワガママな性格が目に付く場合は明らかに親子間のコミュニケーションがうまくいっていないということです。そして子供はちゃんと知っているのです。
ワガママを言って嫌がられても、その時はお母さんが「自分を見てくれる」という事を。ほとんどの場合は怒られてしまいますが、子供は必死に親に「気づいて」とサインを送っています。
どうしてワガママな性格なの?と悩む時が改善に向かう時。ワガママを言っている時にこそたくさん遊んであげると、ワガママもある程度すると改善されるはずです。
【愛情不足の子供】サイン②癇癪
ワガママから癇癪に発展することもあります。癇癪は泣き叫んで、怒って、言う事を全く聞かなくなるので親にしてみたらお手上げです。
こんな時、大人は子供が本当は何が言いたいのか耳を傾けてあげてほしいのですが、癇癪を起している子供に対して冷静に対処することはとても難しいでしょう。ただ、癇癪を起している子供は、自分でも何がしたいのか分かっていない場合が多いのです。
そんな時は「うるさい!」「静かにしなさい!」では何も改善されません、それよりも寄り添ってあげる事がカギ。そして親が感じている事も伝えることが大切です。
「そんなに泣き叫んでいたら、何がしてほしいのか分からなくて困っちゃう。ママも悲しくなるな」など、自分の気持ちを言うことで、少し子供の気持ちを落ち着かせることもできます。
癇癪を改善したいなら、大きな声をだすのは逆効果、自分でもどうやって泣き止んでいいのか分からないのです。改善するには、落ち着くまで見守ってあげて、落ち着いてきたら抱っこ。
親にも余裕がないとなかなか難しいですが、大きな声をあげる、無視をする...という行為は癇癪を改善するどころか、悪化させるだけで何の解決策にもなりません。
【愛情不足の子供】サイン③いたずら
子供はいたずらっ子な性格の子供もいますから一概には言えませんが、親の気を引こうとしてイタズラをする子供がいます。ちゃんと悪い事をしたらママが見てくれるという事を理解しているのです。
子供は状況把握がかなり上手で、親の反応を見てここまでなら大丈夫という線引きを小さないたずらを繰り返しながら学んでいきます。でも、愛情不足が原因のいたずらは「面白くてイタズラをしている」行動とは違います。
イタズラ自体を楽しんでいるわけではなく、親の気を引きたいという一心。このタイプの子供の親は、忙しくて子供を見る余裕がない人が多いようです。「ねー、ママ見てー」という声掛けに対してスマホを見ながら「あとでね」と子供をあしらってはいませんか?
子供の性格が形成される幼い時に方向転換して改善に向かわないと、大人になってから愛情不足の呪縛をとくのはとてつもない時間がかかります。
【愛情不足の子供】サイン④自立できない
愛情不足で育つと「自立できない」大人になるそうです。よく知らずに聞くと「子育てが過保護だと自立できないの間違いじゃない?」と思うかもしれませんが、愛情不足の子供も自立できません。それは、受けられなかった愛情をずっと求めているからです。
健康的な子供は、ある一定の年齢になると反抗期を迎え、親離れをします。親から精神的に離れることができるのは、「親の愛を確信している」からです。自分が巣立っても、親は変わらずそこにいる。その確信があってこそ、初めて健康的に親離れができます。
でも愛情不足の子供はずっと親を求めます。だからより親に依存しようとする。外の世界に出ていける自信を親から育ててもらっていないのです。
【愛情不足の子供】サイン⑤顔色をうかがう
愛情不足の子供は親の顔色を窺う特徴があります。本来子供は無邪気な性格。ときにワガママを言っても、泣いちゃっても怒られても、親の顔色をうかがうというより、性格もありますが、自分の感情に正直です。
でも、愛情不足の子供は泣きたくても「ママに怒られるから我慢する」「叩かれても、親が困るから誰にも言わない」など、いつも大人の顔色を窺っています。喜怒哀楽がはっきりしていて無邪気な子供の性格とは違い、小さい時から感情を押し殺す癖がついているのが特徴的。
大人の顔色を窺って、自分の感情や行動をコントロールする行為は「子供の性格」からは想像できない事。「大人っぽい性格だね」「手がかからないわね」は褒め言葉ではありません。 素直な感情表現ができていない子供は改善すべき問題を抱えている事が多いのです。
【愛情不足の子供】サイン⑥大人に甘える
「ママが大好き」でも、親に甘えられない子供は、周りの大人に甘えるようになります。祖父母だったり、幼稚園の先生だったり。信頼できる大人、自分を保護してくれる存在を求めているのです。必要以上に他人の大人に懐く性格の子供は愛情不足の場合が多いようです。
もし、自分の子供が近所の大人にすごくなついていたり、幼稚園の先生にべったりなのに、親にはそこまで甘えてこないとしたら、自分の愛情不足を感じてください。子供が改善すべき問題を抱えています。
ママが大好きで、ママには嫌われたくないから性格の良い子でいる。でも、甘えたい欲求は消えることがないから、他の場所で埋めようとする。そんな状態なのかもしれません。
【愛情不足の子供】サイン⑦爪噛み
爪噛み、また指しゃぶりという特徴も愛情不足が原因と言われています。爪噛みをしている子供全てが愛情不足というわけではありませんが、ずっと続けていてやめる気配がなければ愛情不足かもしれません。
子供の精神状態にストレスがかかっている状態になると爪噛みや指しゃぶりを始める子供が多いので、愛情不足以外にも親の過干渉、親が喧嘩しているという場合に見られます。
爪噛みや、指しゃぶりといった特徴は「苦しい気持ち」を表しているため、子育てにおいて自分が子供にストレスを与えているのかもしれないという自覚を持ってください。親の方には子供を傷つける気持ちがなくても、繊細な子供は傷ついている場合があるのです。
爪噛みを見つけたら「やめなさい」と注意する前に、「一緒にあそぼっか」と一緒に過ごす時間を作ってあげる事が改善の一歩です。
【愛情不足の子供】サイン⑧おねしょ
おねしょも愛情不足や、ストレスが強くかかっている時にしてしまいます。特にその日、ものすごく怖く怒鳴られた、怖い思いをした、など緊張状態だった場合によく子供はおねしょをします。
おねしょは大きくなると自然におさまりますが、小学生高学年になってもおねしょを繰り返す場合は病院で診てもらいましょう。単発でおねしょをする場合は、子供のストレスを疑うべきです。
最近夫婦仲が悪い、忙しくてつい子供に当たってしまう。ワガママが多いからつい怒鳴ってしまった。子供がおねしょをした日は、「もう!」と文句を言う前に自分の最近の行動を振り返ってみましょう。
おねしょは無意識にしてしまうのですから、怒ったところでなくなるものではありません。それよりも、どうしておねしょをしてしまったのか、子供の心を感じる事が大切です。
【愛情不足の子供】サイン⑨無表情
「子供」という言葉からイメージするのは「楽しそうに笑っている顔」「うわーんと泣いちゃってる顔」そんな感情がはっきりと表れている顔ではありませんか?子供は自分の感情に蓋をしません。そんな必要もありません。
子供は社会性を学ぶ上でだんだんと感情をコントロールする術を身に着けていくのです。でも愛情不足の子供はだんだんと感情が顔から抜けていきます。最初は癇癪を起して、泣いていた子供も、「感情的になると怒られる」と感情に蓋をするようになります。
またサイレントベビーといって、ネグレクトやそこまでいかなくても、親がテレビやスマホに夢中になって子育て中にあまり子供に手をかけないでいると赤ちゃんから表情がなくなっていくそうです。感情の受け取り手がいないから、感情を表すことを諦めた状態です。
これは、危険。成長するうえで周りの子供とコミュニケーションをとれなくなり、健康的な社会生活を送れなくなります。「手がかからない子供」は大人にとって理想的かもしれませんが、良い事とは限りません。
親とのコミュニケーションが取れて初めて、子供は外の世界と安心してつながることができるのです。
【愛情不足の子供】サイン⑩強い自立心
親から十分に愛情をもらえなかった子供は早い時期から自立しようとします。いわば「親を見限った状態」です。早く自立するなんてしっかりしているわね。とはいきません。
自分の支度も、学校の用意も何もかも、手がかからない。という事は、親に何の期待もしていないという事。甘えられないのです。下に兄弟がいる場合も早くから自分で何でもできるようになりますが、それはお母さんが子育てで忙しいと分かっているから。
長男長女は甘え下手と言いますが、こちらは愛情不足ではないのでご安心を。問題なのは、何もかも自分でやって親を頼らない(甘えないとは違う)こと。こうなると、親も子供から距離感を感じるでしょう。思春期になる前に子供から壁を感じるのは危険サインです。
【愛情不足の子供】サイン⑪乏しい自尊心
愛情不足で育った子供は、自尊心が乏しくなります。何をしても褒めてもらったことがなければ、自尊心など育つわけがありません。自尊心がないという事は、自分に自信がないという事。
厳しい愛情をもって子育てをしていると豪語する人がいますが、もしその厳しい愛情が「褒めない」ことなら今すぐ改善するべきです。褒めるに優る子育て方法はありません。
自分に自信のない子供は自立するどころか、いつも大人の顔色を窺って、自分の意見を持てません。オドオドし、自分が悪くない事でも謝ってしまう。気が弱い性格ではありません。性格はある程度環境から作られるものです。
自尊心のない子供は、自傷行為を繰り返すこともあります。1人では自尊心は育てられません、周りの人が認めてあげて初めて自尊心は育つもの。