万葉集に出てくる恋愛の歌《片思い》
切ない片思いのストーリーなど、見ているこちら側も切ない気持ちになります。万葉集の時代も変わらずで、切ない気持ちが和歌の短い言葉に収められています。ここでは、片思いを詠んだ万葉集和歌をピックアップしました。
とくに、思い人を待つ気持ちを詠んだ歌に焦点を当てているので、片思いに悩んでいる人や、好きな人からのLINEや電話を待ち焦がれている人は、ぜひ片思いの歌を味わってみましょう。わかりやすく胸にすんなりと刺さる意味訳が多いのも特徴です。
額田王の万葉集和歌
君待つと吾が恋ひ居れば我が屋戸の簾動かし秋の風吹く
意味:じりじりと焦がれるほどお慕いするあの方を待っているときに、お部屋のすだれを動かして秋風が入ってきたの
万葉集の歌詠みの時代は、恋愛を語り合うときは夜に男性が女性のもとに訪れるという文化がありました。もちろん、女性側から「来てほしい」とお願いして来てもらうものではありません。
「あの人(天智天皇)が来てくれたらな」という期待は、いつも空振りに終わってしまうという切ない気持ちが、「秋の風」に表現されているように思えます。額田王は今でいう「エグゼクティブ」がお好みだったようです。
磐之媛命の万葉集和歌
ありつつも君をば待たむうち靡(なび)くわが黒髪に霜の置くまでに
意味:私はいつまでも恋しいあなたを待ち続けます。私の髪に霜が降りて、白髪に代わっても待ち続けます。
切ない片思いの歌です。こちらも恋焦がれる相手を待ち続けることを詠んでいます。相手は戦に出かけてしまったのかもしれませんね。
「霜の置くまで」というのは、季節が変わっても待つということを伝えたいのでしょうが、それを通り越して「霜=白髪」と解釈できてしまうくらい待ち続けようとする、気持ちの強さがうかがえます。万葉集の時代も今も黒髪は女性のシンボルですよね。
詠み人知らずの万葉集和歌
ゆうぐれは雲のはたてにものぞ思ふ天つ空なる人を恋ふとて
意味:夕暮れになると雲を見ながら、空のように手が届かないところにいる恋人を思うだけで時間が過ぎていきます。
思いふける相手は、自分から見れば分不相応なほど高嶺の花の存在なのか、亡くなってしまった恋人なのかわかりませんが、片思いで実らぬ恋であることが伝わります。
今の時代でも夕暮れは、切ない気持ちを表すときに使われる表現です。日没へ向かう移り変わりの時間は、人をセンチメンタルにさせますね。「夕暮れ」の時間帯と空の色、雲がなびくさまも想像できるのではないでしょうか。
万葉集に出てくる恋愛の歌まとめ
万葉集に恋愛をモチーフにした歌が多いのは、異性との恋愛コミュニケーションはすべて短歌だったからです。すだれを1枚挟んで繰り広げられる歌のやり取りで相手の気持ちを知り、恋の駆け引きをしていました。
万葉集が気になった人は、情熱的な恋の歌を深く読み解いてみませんか?和歌の意味を知ることで、今の時代では想像もつかない、もどかしい恋愛の機微がわかるようになりますよ。
提供:Folk
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