世界一の投資家は誰かと聞かれれば、多くの人が「ウォーレン・バフェット氏」の名を上げるだろう。フォーブス誌によると投資家ウォーレン・バフェット氏(以下、バフェット氏)の資産は、2016年に745億米ドルに達したようである。

世界を代表する大投資家であるバフェット氏だが発する一言一言が金言であり、名言として残ることが多い。バフェット氏とランチをする権利が3億円以上で落札されたのが話題となったが、バフェット氏と実際に会って話をすること自体にそれだけ大きな価値があるとみなされているのだ。

バフェット氏の投資スタイルは、企業の株価が本来あるべき価値よりも下がったときに買い長期で株を持つ長期投資である。ここではバフェット氏の名言をご紹介し、その言葉の意味を読み解くことでバフェット氏お得意の長期投資の極意を学ぶことにしよう。

買うのは企業、株ではない

株式投資をする際に、多くの投資家は株価に着目してしまいがちだ。それゆえに株価の上げ下げに一喜一憂をしてしまう。

バフェット氏はそんな短期的な株価の上下には見向きもしない。上記の名言は、株を買うという認識でいるからこそ株価の値段が気になるのであり、見るべき目線を企業にむければ株価の上げ下げは視線の中に入っては来ないのだ、ということを伝えたいのだろう。

バフェット氏が経営権を握るバークシャー・ハサウェイの経営は、企業を買収することで収益を上げてきたが、バフェット氏は企業経営を始める前から企業買収の視点を常に持ち続けていたのだろう。いわゆるその企業を丸ごと買いたいのでないなら1セントだろうと投資しないというスタンスである。

そもそも本来の株式投資とは、企業の一部を買うことで企業の部分的なオーナーになることを指す。昨今の短期投資ブームによって、忘れがちな株式投資の本質を教えてくれる名言だといえるだろう。

1ドルのものを40セントで買う哲学

ウォーレンバフェット氏は長期投資家として有名だ。長期の株式投資には、大きくわけて成長株投資と割安株投資の2種類があるが、バフェット氏の投資スタイルは後者の割安株投資である。

割安株投資においては、株式を買うかどうか判断する際には企業の「価値(バリュー)」に重きを置く。企業の事業内容と業績などを数値化してみたときに、明らかに市場で評価されているより株価が安い時に投資を行う。そしてその株価が適切に評価されて本来あるべき株価になるまで待つのだ。

割安株投資においては、有名な割安指標が存在しているがバフェット氏は指標面だけでなく企業のビジネススタイルが継続的に利益を出せるかどうかにも着目しているようだ。