困難な状況も、逆手にとって楽しんで欲しい だからこそ、自分もそう生きていく

出産を経て、広告業界から鍼灸の世界へ「人が健康であること」をサポートしたい!学業と仕事のデュアル生活を送るワーママ
(画像=『LAXIC』より引用)

宮﨑:現在は、午前中は学校、午後は仕事というデュアル生活を送られていますね。

荒川:はい、週6で午前中は学校に行き、午後は株式会社侍という、元プロ陸上選手の為末大さんの会社で14時?18時まで週20時間働いています。学校が半日で終わるので、仕事をしないと保育園に預けることが難しいですし、少しずつでも稼いだ方が生活にもゆとりが持てますので。鍼灸は器用さなどによって合う・合わないの差がある技術だと聞いていましたので、鍼灸以外の仕事にもまた戻れるように、選択肢を増やすという意味もありました。現在侍では、高校生・大学生のアスリートへの教育プログラムづくり、企業のCSRプロジェクトなどに携わらせて頂いています。10人ほどの会社ですが、私自身が子育てをしながら資格を取ろうとしていることを応援してくださっていますし、困った時にはみんなが助け合える空気があるのですごく働きやすいです。 様々な支援制度はあるけど、みんなが助け合える「空気」がないという企業はたくさんあると思いますが、そういった制度はなくても「空気」があるということで、こんなに働きやすいのか!と実感する毎日です。

宮﨑:仕事・学校・子育てと、新しいことを3つやるという日々は大変ではないですか?

荒川:かえってメリハリがうまれて、それぞれの息抜きにそれぞれがなっている感じです。仕事に課題がある時は勉強に癒されるとか、学校の試験は子どもとのひと時があるから乗り切れる、そんな感じですね。また、学びたい時に学べるというのは、本当にうれしいことだなと思っています。

宮﨑:将来どんな働き方をしていきたいと思っていますか?

荒川:鍼灸の世界は、資格をとってもそれを仕事に出来る人は多くないと言われています。国家資格を取得した後も技術を学び経験を積んでいくことが必要で、この「修業期間」を経済的・精神的に乗り越える必要があります。「研修医」のようなシステムがあったらいいな、これを何とかしたいなという思いもあるのですが、まず自分自身が途中でくじけず一人前になるために、資格取得後も鍼灸師と会社員のデュアル生活を続けていこうと考えています。

子どもからお年寄りまで、「なんだか不調だけど…」という時に相談頂けるような存在になりたいです。様々な方に鍼灸を通じて元気になって頂いて、ちょっとずつ生活の質を上げるお手伝いができたらいいなと思います。

その先になると思いますが、海外で鍼灸師として働いてみたいです。最近はヨーロッパなどでかなり鍼灸が評価されています。多くは中国式の鍼なのですが、日本の鍼灸の魅力をもっと伝えられたらと思います。

宮﨑:子育てをしながら自分の人生をどうやって生きていきたいですか。

荒川:子どもに幸せでいて欲しいと願うなら、自分も幸せでないといけないなと思っています。子どもにこうなって欲しい!と思うことを親がやっていないのは違うなと。やりたいことに、やりたい時にチャレンジして欲しいし、困難な状況でもそれを逆手にとって楽しめるような生き方をして欲しい。そして、自分もそうやって生きていきたいと思います。

 

妊娠・出産を経て、自分の仕事や働き方について考える人は多くいます。一方で、育休時に「働くこと」についてあまり考えずに復帰し、その後悩む例もかなり多いようです。子どもの成長と共にどうやって仕事を続けていくかを考えた時「キャリアを変える」ことも1つの選択肢にあってもいいのではないでしょうか。「困難な状況でも楽しめる生き方を」という言葉のまま歩んでいく荒川さんの今後の活躍がとても楽しみです。

荒川 あゆみさんプロフィール

1983年長野県生まれ。東京大学大学院農学生命科学研究科修士課程修了後、2009年株式会社博報堂入社。2014年8月出産。2015年4月、日本鍼灸理療専門学校鍼灸本科 (鍼灸あん摩マッサージ指圧科)入学。同年5月より株式会社侍勤務。NPO法人コミュニティ・オーガナイジング・ジャパン理事。

提供・LAXIC

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