「美味しく食べて痩せる」それこそがダイエットの本質だと語るのは、減量外来ドクターの工藤 孝文(くどう たかふみ)先生。そんな工藤先生が、効率の良いダイエットのためにおすすめしたいのが「高野豆腐」だと言います。高野豆腐はなぜダイエットに良いのか、どのようにダイエットに取り入れれば良いのか、詳しく教えていただきました。
 

楽に痩せる!高野豆腐ダイエットのすすめ

辛い食事制限によるダイエットは長くは続かず、健康やメンタルを害してしまうケースもあります。リバウンドに繋がることもあるので、おすすめできません。

食材について知れば、 「食べて痩せる」ことは可能 です。

そこでぜひおすすめしたいのが、日本の伝統的な保存食である「高野豆腐」です。高野豆腐は、豆腐を凍結し乾燥させた食べ物。その作り方から、凍り豆腐と呼ばれることもありますね。大豆の素晴らしい栄養素がギュッと凝縮されています。

高野豆腐は高タンパク・低糖質なダイエット向き食材

ダイエットに高野豆腐をおすすめする理由は、糖質の低さとタンパク質の多さにあります。

高野豆腐の糖質量は、100gあたり約1.7gと低糖質です。 高野豆腐1枚(16g)あたりの糖質量は、なんと約0.2~0.3g しかありません。ちなみにご飯は1膳(150g)あたり55gの糖質が含まれています

そして、高野豆腐に含まれる成分の約50%はタンパク質が占めており、 1枚(16g)あたりに約8gのタンパク質 が含まれています。これは、 木綿豆腐の7倍以上の量 です。

絹豆腐や木綿豆腐は、85~90%は水分。高野豆腐は豆腐を乾燥させて、栄養を濃縮した食べ物なのでタンパク質量が多くなっているのです。

タンパク質は、ダイエットを成功に導く大事な栄養素です。ここ数年でそのイメージも定着してきたのではないでしょうか。タンパク質は筋肉の材料となりますので、不足すると筋肉量が保てなくなってしまいます。

糖質制限ダイエットをしている方にとって高野豆腐は、高タンパク・低糖質のまさに理想的な食べ物だと言えます。
 

高野豆腐のタンパク質は腹持ちが良い

高野豆腐の原料は大豆です。大豆に含まれる 植物性タンパク質は、消化吸収がゆっくり であることが特徴です。そのため、植物性タンパク質は腹持ちが良いのでダイエットに役立ちます。

動物性タンパク質の方がタンパク質の量は若干多いのですが、脂質やコレステロールが多く含まれています。そのため、植物性たんぱく質の方がカロリーが低めになる傾向があります。植物性タンパク質と動物性タンパク質はそれぞれ良い点があるので、バランス良くとりいれるのが理想的です。

普段、肉や魚、卵、牛乳、ヨーグルト、チーズなどからタンパク質を摂取している方は、バランスを整えるためにも高野豆腐を食べると良いでしょう。

 

高野豆腐のカロリーは意外に高いがダイエットできる!

乾燥状態の高野豆腐100gあたりのカロリーは、約536kcal。絹ごし豆腐のカロリーと比較すると、およそ10倍のカロリーがあります。絹ごし豆腐が低カロリーなのは、水分量が多いからです。高野豆腐は豆腐を乾燥させた保存食なので、水分が抜けていてその分カロリーが高くなっています。
 

高野豆腐以外の豆腐のカロリー(100gあたり)

  • 絹ごし豆腐:約56kcal
  • 木綿豆腐:約72kcal
  • 高野豆腐(乾燥):約536kcal

ここで気を付けるべきなのが、一食で食べる量です。豆腐1丁は約300~350gあるので、絹ごし豆腐は168~196kcal、木綿豆腐は216~252kcal程あります。

一方、高野豆腐1枚(16g)は、水でもどすと100g程度になります。 高野豆腐は1枚(16g)あたり85kcal で、2枚食べても170kcalということになります。水で戻した高野豆腐は、それなりに 食べ応えがあるので1枚でも十分お腹が満たされる と思います。そう考えると、さほど高カロリーではないはずです。

ダイエットで脂肪を減らすために大事なことは、摂取カロリーと消費カロリーのバランス。摂取カロリーを減らすか、消費カロリーを増やすなどして、摂取カロリー<消費カロリーにすると徐々に脂肪が減っていきます。

そのため、低糖質な高野豆腐でも食べすぎてしまえば太ってしまうので気を付けましょう。