島根県の島根半島の西に出雲大社、東に美保神社があります。出雲大社には良縁をいただけるダイコク様が、美保神社には商売繁盛の神エビス様が祀られており、実はこのお二人は親子。この親子の神様を「両参り」する事で、更なるご利益が得られると言われています。両参りで大きなパワー、ご利益を授かる旅へ出かけましょう!
えびす・だいこく両参りでご利益倍増!
両参りって何?
「両参り」とは島根半島の西に位置する出雲大社と、同じ島根半島の東に位置する美保神社を合わせてお参りする事です。えびす・だいこく両参りとも言われ、江戸時代に盛んに行われるようになった風習で、今でも両参りをすると更なるパワーや、ご縁がいただけると言われています。
美保神社の神様、事代主神(ことしろぬしのかみ)は商売繁盛の神としてえびす様、出雲大社の神様で縁結びの神として有名な大国主神(おおくにぬしのかみ)は、だいこく様として親しまれている神様です。えびす様は鯛を抱え、だいこく様は打ち出の小槌を持ち、どちらも日本では縁起の良いものとされています。えびす様とだいこく様が付いた正月飾なども見かけますね!
そして、この両神様は親子神で、神話の国譲りではとても重要な役割を担っています。
## 大国主大神(だいこく様)と事代主神(えびす様)の国譲り神話
昔々、大国主神(おおくにぬしのかみ)が出雲の国を治めていた頃、天照大神(あまてらすおおかみ)は栄え賑わっている出雲の国を欲し、大国主神の元へ国を譲るよう、使者を送りますが失敗します。そこで天照大神は、力自慢の建御雷神(たけみかづち)と足の速い天野船神(あめのとりふね)を遣わします。
国を譲るよう迫られた大国主大神は自分の息子である、事代主神(ことしろぬしのかみ)と建御名方神(たけみなかたのかみ)に判断をゆだねる事にしました。
美保の海で魚釣りをしていた事代主神は、建御雷神と天野船神に国譲りを詰め寄られ、承諾。一方、建御名方神は力比べを持ちかけましたが、勝負に負けて降伏してしまいます。
国譲りを行う事になった大国主神は2つの条件を出します。1つは、高天原の御殿のような大きな宮殿を建てること。2つめは、目に見える「現世(目に見える現実世界)」は天照大神が、目に見えない「幽世(人の目には見えない神の世界)」は大国主神が治めるということでした。
「幽世(人の目には見えない神の世界)」と言うのは、目に見えない「縁」や「運命」の事を言います。そのため、大国主神が鎮座する出雲大社が「縁結び」のスポットとして有名なのです。
そして出雲大社だけでなく、大国主神の妻、三穂津姫命(みほつひめ)と大国主神の息子、事代主神を祀る美保神社も合わせて「両参り」する事で、より一層大きなご利益が得られると言われているのです。
### お参りの順序は、まずは親神様の出雲大社から
その昔、出雲大社だけのお参りは「片参り」と言われていました。まずは父神である大国主神が祀られている出雲大社へ参拝し、息子である事代主神が祀られている美保神社へ参拝すると良いとされているそうです。
両参りで更なる良縁をいただきましょう!