エアコンに自動洗浄機能(お掃除機能)が付いていたとしても、エアコン内部はカビが発生しやすい環境と言われています。もしカビが生えたまま使い続けると、それが原因で体調を崩してしまう可能性も。そこで、カビ対策はもちろん、健康のためや省エネ・エコにもつながる効果的なエアコンの掃除方法と、カビ落としにおすすめの掃除グッズをご紹介します。

エアコン内部に発生しやすいカビの種類と健康被害

みなさんは、エアコンの内部を見たことがありますか?送風口から覗いて少し黒い点や黒っぽい影のようなものが見えたらカビ要注意。カバーを外して内部がカビやダニの死骸などで真っ黒になっているのを見て、とても驚いた方もいらっしゃるかもしれません。

エアコンに潜むカビが病気の原因?汚れた内部の効果的な掃除方法
(画像=Kajilyより引用)

エアコンの内部は、結露により湿気がたまり、カビが発生・増殖しやすい環境にあると言えます。ひとくちに「カビ」といっても様々な種類がありますが、エアコン内部に発生するのは「黒カビ」であることが多いようです。
また、カビは胞子を放出することで増殖していくとされているのですが、エアコン内部で黒カビが増殖した場合、その胞子が送風口から出され部屋中に広がってしまう危険性も考えられます。

そして、エアコンから放出されたカビやその胞子を吸い込むと、以下のような病気になる可能性があることも指摘されています。

  • アレルギー性鼻炎
  • 呼吸器系疾患
  • 肺炎
  • 夏型過敏性肺炎

熱中症や暑さ対策のために、エアコンを付けているにもかかわらず、内部のカビが部屋中にまき散らされ、それが原因で病気になる可能性があるなんてちょっと怖いですね。こういった事態を防ぐためにも、本格的に使用する前に試運転しましょう。

シーズンに入り、エアコンクリーニングを業者へお願いして初めて故障に気づいたとしても、すぐに対応してくれません。エアコン内部は定期的にしっかりと点検と掃除をして、清潔に保っておきたいところです。

なぜエアコンにはカビが生えるの?

エアコンにカビが生える理由は、そのエアコンが置かれた環境にあります。カビが生えやすい条件は「湿度」「温度」「ホコリ・汚れ」の3つです。

まず、カビが最も繁殖しやすい温度は20〜35度です。エアコン内部の温度と設定温度は厳密にいえば少し異なりますが、私たちが快適だと感じる室温はカビが生えやすい温度でもあります。

また、湿度が80%を超えるとカビが繁殖しやすくなります。エアコンが運転する際に冷たい空気と熱い空気が触れることによって結露が生まれ、エアコン内部の湿度も上がります。冬は空気が乾燥しがちですが、加湿器を使うこともあって、カビが生える条件がそろってしまう場合も少なくありません。ましてや夏は湿度が高く、エアコン内部にカビが繁殖する条件を満たしています。

それから、エアコンについたホコリや汚れはカビの養分になり、カビの繁殖につながります。エアコンを通る空気には室内のホコリやタバコの煙、キッチンから流れてくる油汚れも含まれているため、こまめに掃除をしないと、エアコン内部に汚れがたまってしまうのです。

エアコンのカビ防止テクニック

「定期的なフィルター掃除」「部屋の換気」「電源オフの前に送風運転」。この3つを実行することで、エアコンにカビが生えないように予防できます。

エアコンのフィルターはホコリや汚れがたまりやすいため、それを養分としてカビが繁殖しやすいです。また、たとえエアコン内部を徹底的にキレイにしても、フィルター掃除を怠っていると、再びカビが生えてしまいます。それを防止するためには、定期的にフィルターを掃除するようにしましょう。夏季や冬期などエアコンをよく使用する時期なら、1カ月に1回程度は掃除するのが望ましいです。

また、住居全体の湿度を下げてカビが生えにくい環境にすることも、エアコン内部のカビの発生を抑制することにつながります。除湿器を使って湿度を下げる方法もありますが、窓を時々開けて風を通すことによっても湿度は下がります。換気をすると空気に含まれる汚れが屋外に排出されるため、カビの養分を減らして繁殖を抑える効果もあります。
それから、除湿(ドライ)運転や冷房運転をすると内部に水分がたまるので、電源を切る前にしばらくの間、送風運転をして内部を乾燥させましょう。送風運転をする時間は30分くらいが目安です。

【場所別】自分でできる!効果的なエアコン掃除方法とおすすめグッズ

エアコン掃除は、カビが発生しやすい場所を重点的に行うことをおすすめします。具体的には、以下のような場所を念入りに掃除するといいでしょう。

エアコンに潜むカビが病気の原因?汚れた内部の効果的な掃除方法
(画像=Kajilyより引用)

フィルター掃除で、カビの栄養源を断ち切る!

エアコンフィルターに付着したホコリやハウスダストは、カビの栄養源となり、増殖を促進してしまうと言われています。そこで、まずは、フィルターの掃除から始めてみましょう。

<フィルター掃除の基本的な手順>
 (1)エアコンのカバーを開き、掃除機などでフィルターに付着したホコリを吸い取る。
 (2)ホコリをまき散らさないように、ゆっくり慎重にフィルターを外す。
 (3)掃除機などを使って、もう一度フィルターに付着したホコリを吸い取る。
 (4)お風呂場などで水洗いをして、陰干しをして、完全に乾燥させる。 ※注意※ エアコンの種類によっては掃除方法の手順は変わる場合がありますので、取り扱い説明書のお手入れ方法も確認するようにしてください。

吹き出し口の掃除で、カビの飛散を防ぐ

カビの胞子は、エアコンの吹き出し口から部屋に放出されると言われています。そのため、エアコンの吹き出し口についても、しっかり掃除することをおすすめします。

<吹き出し口の掃除の基本的な手順>
 (1)安全のため、エアコンのコンセントを抜く。
 (2)吹き出し口にあるルーバーを手で回し下げる。
 (3)中性洗剤を薄めたものをタオルにしみこませて拭く。
 (4)手が届きにくい部分も、定規にタオルを巻き付けるなどして拭く。
 (5)コンセントをさし込み、電源を付けて「送風運転」をする。

エアコン内部の湿気対策も忘れずに

エアコン内部がカビの温床とならないよう、カビの増殖を防ぐには、エアコン内部を乾燥させることも大切です。
最近は「内部クリーン機能」や「内部乾燥機能」などが備わったエアコンが販売されていますので、そういった機能を活用するといいでしょう。
これらの機能が付いていない場合は、1時間ほど「送風運転」をすることをオススメいたします。運転することで全くしないよりもカビが好きな湿気が少なくなります。

エアコン洗浄スプレー類を使うと便利

エアコンの掃除には、「エアコン洗浄スプレー」や「エアコンクリーナー」と呼ばれるものを使うのもおすすめです。
スプレーを噴射するとエアコン内部を掃除でき、除菌効果も期待できます。最近は防カビ効果があるスプレーがホームセンターなどで販売しているので、カビによる健康被害が不安な方は、こういったアイテムを使ってみてはいかがでしょうか。

ただし、エアコン洗浄スプレー・エアコンクリーナーを使う場合は、洗剤やスプレー液を電装部位にかけないよう十分注意しましょう。
また、表面の汚れを落とさないまま洗浄スプレーを使うと水漏れの原因になることがありますので、ホコリ等を落としてから使用することをおすすめします。

※注意※ 使用上の注意点として「本品は配水管付きタイプのエアコンのみに使用できる」などがあります。エアコンの種類によっては洗浄スプレー類を使えないタイプもありますので、注意書きを確認するようにしてください。

エアコンに潜むカビが病気の原因?汚れた内部の効果的な掃除方法
(画像=Kajilyより引用)