比較的すぐに効果がでると噂の糖質制限ダイエット。最近では、主流なダイエット方法の一つになってきましたね。取り組んでみたい方にとって気になるのは、糖質制限を始めて「いつ頃」ダイエット効果がでてくるのかということではないでしょうか。そこで今回は、栄養学を専門とする筆者が、糖質制限ダイエットは一体どの段階でどんな効果が現れるのかを紹介します。
糖質制限で痩せる仕組み
糖質制限で痩せる時期を知る前に、まずは糖質制限ダイエットでどうして痩せることができるのかを紹介していきます。
1、インスリンの分泌が抑えられる
糖質を摂取すると血糖値が上昇します。血糖値が上昇すると膵臓がそれを感知して、血糖値を下げるためにインスリンというホルモンを分泌します。インスリンは筋肉に働きかけて血液中の糖質を摂り込ませる働きがあるのですが、それ以外にも役割があります。それが、脂肪の合成です。
脂肪組織はインスリンが来たと感知すると、脂肪を合成する酵素を活性化させ、脂肪を蓄えようとします。
つまり、糖質制限を行うと脂肪を合成するシグナルがなくなります。これが糖質制限で痩せる理由の一つです。
2、摂取エネルギーが減る
糖質制限をすると自然と摂取エネルギーを減らせるというのも、実は糖質制限ダイエットで痩せる理由になっています。特に、普段から糖質を摂りすぎている方の場合は摂取カロリーの変動が大きく影響していることでしょう。
日本人は摂取エネルギーの約60%を糖質から補っていると言われています。そのため糖質制限を行うと、糖質以外のものからエネルギーを摂取したとしても、そもそもの摂取エネルギーが減少しやすいのです。糖質量の多いご飯を減らして、代わりにタンパク質源のお肉やお魚を増やすと、摂取カロリーは簡単に減らせます。
また、糖質制限で食べないようにするお菓子やスイーツ類は、カロリーが高いので、これらを制限することで摂取カロリーを減らすことができます。
糖質制限をすると消費エネルギーが摂取エネルギーを上回るように傾いていき、どんどん痩せていくのです。
3、ケトン体で脂肪を燃焼できる体に
これは厳しい糖質制限に限ったことですが、糖質をある一定の期間抜くと、体の中である変化が起こります。それが、ケトン体を作り出して脂肪を燃焼できる体になるという変化です。厳しい糖質制限では、1日60~70gの糖質量におさえていきます。
私たちは糖質と脂肪からエネルギーを得ていますが、特に食後は主に糖質を利用してエネルギーを得ています。しかし糖質制限を行うと、体の中に糖質がなくなるので主に脂肪を利用してエネルギーを得るようになります。
ケトン体は脂肪が分解されてできる物質なのですが、脂肪が利用できるようになるのは、体の中でケトン体を作れるようになるからです。糖質制限をすると体はケトン体を作れる体になり、多くの脂肪を使えるようになって痩せていくのです。
4、糖質依存から抜け出すことができる
糖質制限は、乱れた食生活を見直すきっかけになります。現代の食事は糖質が多く、また自分へのご褒美として日常的に甘いスイーツなどを食べている方もいることでしょう。糖質をとると脳は興奮し幸せを感じるので、また甘いものを欲するようになります。気づかず、糖質に依存している方は多いのです。
そこで糖質制限を行うと、始めは辛いですが、徐々に糖質依存から抜け出すことができます。糖質制限ダイエットは即効性もありますが、長い目でみても痩せやすい体質を手に入れることができるのです。
糖質制限ダイエットではタンパク質を摂取するのが鍵
糖質制限ダイエットが、単なるカロリー制限ダイエットと違うのは、食べるものの質も変えるというところにあります。糖質制限ダイエットは、糖質を制限する代わりにタンパク質を多く摂取することが基本となります。
タンパク質は、健康的な筋肉や肌、髪を作るのに欠かせない材料です。日本人は元々タンパク質の摂取量が少ない傾向があるので、タンパク質をメインとした食事に切り替えることで、体自体が変わっていくのです。
糖質制限で痩せるのは1ヶ月で体重の5%を目安に
糖質制限を行うことで体重を落とすことができますが、急に体重を落としてしまうと体調を崩したりリバウンドの原因になります。
体重を減らす場合は、1ヶ月で体重の5%を目安に減らすようにしましょう。体重が50kgの人の場合、1ヶ月で2.5kgが目安になります。よく「1か月で10キロのダイエットに成功」というような例がテレビなどで紹介されますが、それは肥満ぎみ方の場合です。無理をしないようにしましょう。
体重は摂取エネルギーと消費エネルギーのバランスで決まります。1日の摂取エネルギーと消費エネルギーの差が500kcalくらいになるように調整するとこの数字を達成することができます。