できるだけ高いお給料をもらって働きたいというのは、誰もが願うところでしょう。特に就活中の大学生にとって、新卒でも高年収が狙える会社は魅力的に映りますよね。そこで、これから社会人になる人のために「年収に関する基礎知識」と「応募企業を検討する際に確認したい年収以外のポイント」を解説します。
社会人として知っておくべき年収の基礎知識
「年収800万円世帯」「目標は年収1,000万円!」など、年収という言葉は普段なにげなく見聞きすることの多い言葉ですよね。では、年収とは具体的に何を指しているのでしょうか。単純に毎月手元にもらえるお金の合計額(年間)だと思っていませんか?
まず私たちが働いて月末などに「手元にもらえるお金」は、基本給に各種手当てや残業代などを加えた総額から、所得税や住民税などの税金や社会保険料が差し引かれた(天引き)金額になります。
(基本給+残業代など各種手当)−(所得税+住民税+社会保険料など)=手元にもらえるお金
これに対し、企業が支払う「給与」は天引き前の総額を指します。
(基本給+残業代など各種手当)+(所得税+住民税+社会保険料など)=給与
「年収」には、税込年収や額面年収などさまざまありますが、企業の求人要項などにある「年収」は一般的に税込年収=給与×12ヶ月(+賞与など)と考えるといいでしょう。年収を12分割したお金を毎月手元にもらえるわけではないので気を付けましょう。
大学卒の平均初任給は21万200円
厚生労働省が発表した「令和元年賃金構造基本統計調査結果(初任給)の概況」によると 2019年の大学卒の初任給平均は 21万200円でした。これは2018年の初任給の平均20万6,700円よりも1.7%増えています。初任給は学歴や業種などによっても大きく異なるのが特徴です。
初任給は性別によって異なる?
大学卒の初任給を男女別に見ると男性が21万2,800 円(前年比 1.3%増)、女性が 20 万 6,900円(同2.1%増)と男性のほうがやや多いです。これは職種(総合職や一般職など)による初任給の平均の差とも考えられそうです。
学歴によって異なる
初任給は、学歴によっても大きく異なります。 2019年の初任給を学歴別に見てみると大学院(修士課程)を修了した人は 23万8,900円 (前年比0.1%増)、大学卒は21万200円(同 1.7%増)、高専・短大卒は18万3,900円(同1.4%増)、高校卒は16万7,400円 (同 1.4%増)でした。学歴によって対象年齢も上がり求められる仕事も高度化することが考えられます。
新卒の初任給が高い業種は?
大学卒の初任給を産業別に見ると最も高い業種は「学術研究、専門·技術サービス業」の 22万7,200円(前年比1.2%増)でした。次いで2位が「情報通信業」 21 万8,100円(同 1.1%増)、3位が「建設業」21万6,700円 (同 1.0%増)となっています。専門的な知識や技術を求められる業種は、初任給も高い傾向です。