「この人のもとで働けてよかった」ワーママの特徴
(画像=『LAXIC』より引用)

前職で、「この人のもとで働けてよかった」と思うワーママがいました。たった半年しかいなかった財務系事務の部署です。

専門用語含めてご説明しますと、その部署では「管理会計」を扱っていました。財務諸表を作ったり、銀行からお支払い手続きをしたりする部署ではなく、経営の意思決定のために適したフォーマットに基づいて数字を提示する部署となります。管理会計上必要な「全プロジェクトの売り上げの把握」「プロジェクトごとの工数管理」「請求書発注書の手配」「リソース不足を補うための常駐エンジニアさんの契約や請求処理まわり」などを一手に引き受けていました。

上場企業であったことや、当時の状況として経営判断に注目が集まっていたこともあり、担っている役割も相当重い部署だったと思います。

そこでは、当時3歳くらいのお子様がいらっしゃるワーママがマネージャーを務めていました。財務が関わるので知識も必要ですし、マネージャーともなれば上層部の会議に出席を求められ、的確な説明が必要になります。

その方はお子様の送り迎えなどもあり、出社時間・退勤時間も柔軟に対応されていましたが、他のチームメンバーも優秀だったため、きちんと部署はまわっていました。どうしても月初に稼働がかかりやすい部署でしたが、経営判断のための速報値も月初の決まったタイミングで定期的に提出する体制も整えており、(自分が関わっていたのに恐縮ですが)「成果が出ている」チームだったのではないでしょうか。

そのワーママの仕事の仕方で、特にありがたかったのは以下2点です。

ご自身の下に知識を持ったリーダーを置いたこと

私は財務の専門知識がない状態で、その部署に異動になりました。専門知識のいる仕事と、いらない仕事がある中で、専門知識があると、業務で判断できる幅が広がります。

そのワーママの下には「専門知識を持ったリーダー」がいました。業務で困った時にリーダーに相談させていただけたことで、そのワーママの退勤後に質問攻めにしたり、会社にいらっしゃらないことで仕事が止まったりなどの事態を避けることができました。

「自分でなくてもできるところは別の方に権限移譲する」というテクニックにも近いかもしれません。

情報をオープンに共有していたこと

財務に関わる部署なので、会社の取り組みや状況ひとつひとつがお金の流れにつながる側面もあり、会社の状況や意思決定の内容などを(社内含め取扱注意という前提で)詳細に落としていただいていました。

これは、部署の特性上必要なことではあったのですが、仕事をする上でも判断材料が増え、そのワーママに聞くべきことが絞られることにもつながり、仕事がやりやすかったひとつの理由でもあった気がします。

思い出すと、時々深夜に対応をされていた記憶があり、仕事と育児の両立はさぞかし大変だったのではと想像します。財務の知識がない私では部署の仕事総量を想像することもできませんが、他部署との連携などにおいても多くの調整をされていたのではと思います。

「ワーママと働く」経験だけでなく、チームで働く経験としても、非常に勉強になることばかりでした。

「顔が見える」コミュニケーションの重要性

「この人のもとで働けてよかった」ワーママの特徴
(画像=『LAXIC』より引用)

ワーママではないのですが、前職では地方にてフルリモートで勤務されている男性のエンジニアがいらっしゃいました。大きいプロジェクトをご一緒したとかではなく、軽微なやりとりを数回させていただきまして、今となっては何をやりとりしたのか忘れてしまったくらいなのですが、その方は非常に印象に残っています。

彼は非常に「顔が見える」方でした。ですが、Skypeなどのツールを使った「電子上で顔を合わせた会議」をしていたわけでもなく、お会いしたことは1回しかありません。なぜそう思うのかと後で考えたところ、ひとつ言えるのは、その方は「文章でのご説明が上手かった」。単に文章が正しいとか、語彙が多いとか、そういうことだけでなく、状況が的確にわかり、なおかつお人柄がにじみ出るようなメールを書かれる方でした。

その方は、かなり長い間リモートで勤務されていて、私が在職していた5年間ずっとリモート勤務でした。おそらく、リモートで働くときにつまずきやすいポイントを熟知し、先回り対応をされていたのかな、と今になって思います。

前述したワーママのマネージャーについても、メールのご説明が丁寧な方でした。それだけでなく、口頭でご質問しても非常に丁寧なご説明をしてくださって、質問の答えに加えて、状況やその判断に至った考え、関連しそうな事象、事例についても教えてくださいました。業務内容においても専門知識においても、学びが多かったのは言うまでもありません。

情報量が多くなればなるほど、整理しないと言いたいことが伝わらないので、その意味でもスキルの高い方だったのだなと思います。