年々上がり続ける最低賃金。「正社員の私には関係がない」と思っていませんか? 最低賃金は労働者であれば誰にでも当てはまること。最低賃金が引き上げになる度に、自分の給与やお金のことについて、しっかりチェックしておきましょう。

毎年上がり続ける最低賃金

働く人に絶対的に支払わなければならないというお金が、最低賃金。
2018年10月からは、全国平均で26円の最低賃金の引き上げが決定しました。去年、一昨年よりもさらにアップし、東京では985円。いよいよ1000円代に突入するのも、そう遠くはない話かもしれません。

最低賃金があがることにより、これまで時給が低かった人の収入は底上げされますことになります。お給料がアップすれば余分に使えるお金が増えるので、それを消費に回すことにより経済全体の活性化へと繋がるというメリットも。これまで給与が高かった人との差も縮まり、働き手から不満の声が生まれることはないでしょう。

とはいえ、社会全体で人手不足が叫ばれている時代。最低賃金が下回っていない企業でも、人材獲得のために「時給の値上げ」が行われるので、最低賃金の引上げによって企業への負担は拍車がかかる一方です。

世界で一番最低賃金が高い国はオーストラリアで、日本円にすると約1,500円。世界と比べると、日本はまだ低い方だと言えますが、日本の経営者にとってはこの小さな金額でもかなりの痛手となります。ましてや、日本でいきなり1,500円という金額にまで最低賃金が引き上がってしまうと、もはやロボットの方が安上がり。人よりも機械が優先される。そんな時代になってしまいそうで、非常にこわいものです。

自分の給料下回っていない?時給換算してみよう。

この最低賃金問題。
時給換算なので、アルバイトの人にだけ関係していると思われがちですが、実は労働者として働く人であれば、パートも正社員も、誰にでも適用されるものとなっています。特に正社員として働いている方は、諸々の手当がついていることもあり、見落とす可能性もあるので注意が必要です。

基本給を月の平均所定労働時間で割って、最低賃金を下回っていないか計算してみましょう。
時給計算するとアルバイトとあまり変わらない、と気づく人も居ると思います。例えば、基本給が20万円で8時間労働、20日働いているととすると、時間換算は1,250円となります。もちろん、最低賃金がオーストラリア同様の1,500円になる時代が来たら、正社員の基本給もそれに合わせてアップしなくてはなりません。