手軽に飲めて低価格なうえに、豊富な種類が揃っている缶コーヒー。大手コーヒーショップやカフェが立ち並んでいたとしても、依然として缶コーヒーは人気です。街角や駅の構内で缶コーヒーをくいっとあおっている人の姿もめずらしくはありません。
しかし、缶コーヒーを飲むことが習慣になっているのなら、体への影響を考えてみる必要があるでしょう。本記事では、缶コーヒーがわたしたちの体に与える影響についてご紹介します。
缶コーヒーを飲むと血糖値が急上昇しやすい
缶コーヒーを飲むと血糖値が急上昇する恐れがあります。血糖値が急上昇するとどんな危険があるのでしょうか?
缶コーヒーを飲むと約30分後には血糖値がピークに
食事をするとでんぷんが胃で消化されてグルコースになり、小腸で吸収されて血液に入ります。血液中のグルコースを血糖、そして血液の血糖濃度のことを血糖値といいます。空腹時の100mlの血液の血糖値はおよそ100mgほど。しかし、飲んだり食べたりすることで血糖値は上昇します。
血糖値が上昇すると、すい臓からインスリンが大量に分泌されます。インスリンには、筋肉や肝臓に血液中のグルコースを取り込むように指示し、血糖値を下げる働きがあります。
胃で長時間消化する必要のない液体は、摂取後すぐに小腸に届いて吸収されます。砂糖入りの缶コーヒーを飲むと速やかに吸収されるため、血糖値が上昇しつづけ約30分後にはピークに達します。
血糖値の急上昇が病気や肥満を招く
食べたり飲んだりして血糖値が上昇するのは自然なことですが、血糖値の急上昇には注意しましょう。血糖値が急上昇して高血糖の状態になると、血管の細胞の中にグルコースの変化したものが蓄積され、血管が傷みやすくなります。
血管が傷むと網膜症などの視覚障害をはじめ、腎症や神経障害、動脈硬化や心疾患を引き起こす可能性が高くなります。また、血糖値が急上昇するとインスリンが大量に分泌されますが、インスリンには血糖値を下げるほか、使いきれなかった糖を脂肪に替えて蓄える作用もあります。ですから、血糖値の急上昇は肥満を招く可能性があるのです。
カフェイン含有量が多い缶コーヒーも
ドリップコーヒーと同じく缶コーヒーにもカフェインが含まれていますが、その量は缶コーヒーごとに異なります。カフェインの過剰摂取は、わたしたちの体に悪影響をもたらすことも。カフェインを摂り過ぎると一体どうなるのでしょうか?
缶コーヒーを1日2本以上飲むとカフェイン過剰摂取の可能性も
カフェインの含有量は缶コーヒーによって違いますが、100gにつき30mg~170mgほどのカフェインが含まれています。
内閣府の食品安全委員会によると、カフェインの感受性は個人差が大きいため、日本国内ではカフェインの摂取許容量の設定はなされていません。しかし、欧州食品安全機関では、カフェインの1日の摂取許容量を健康な成人で400mg未満、1回の摂取量を200mgまでとしています。
そのため、カフェイン含有量が多い缶コーヒーやロング缶など内容量が多い缶コーヒーを1日に2本以上飲むと、カフェインを過剰摂取してしまう恐れがあります。
カフェイン過剰摂取の危険性
カフェインの過剰摂取は不眠の原因になるだけではなく、さまざまな健康被害をもたらします。カフェインが中枢神経を刺激して起こるめまいや頭痛、吐き気や震えといった症状のほか、急性中毒による死の危険性もあります。