制服がパツパツになって大ピンチ

 幸いにも私が採用試験を突破した外資系航空会社では、顔を照らされることも、外見に関する厳しい条件を求められることもなかったのですが、それは表向き。実のところはなかなかシビアなものでした。

 グランドスタッフとして働いているあいだ、一度だけ太ったことがあります。

“太ってはいけない”空港スタッフ女性の苦労「制服のサイズ交換もNGだった」

(画像=元グランドスタッフ、現ライターの高木沙織さん、『女子SPA!』より引用)
 食べても食べてもお腹が空いて仕方がなかったんですよね。一日を通してとにかく動き回るし、国際線のチェックインのプレッシャーはすごいし、もう“食べなくちゃやってられない”状態!

 朝からおにぎりを4個食べ、業務開始前は500mlのパックに入ったカフェオレを一気に飲んでスタンバイ。休憩時間にはオフィスにある誰かのお土産のお菓子をつまみ、ランチはコンビニの弁当と惣菜を早食いして、終業後は飲みに行くような日々です。それはもう驚くほどの早さで太りましたよ、4kgも。

(なんか制服キツイなぁ、クリーニングで縮んだ?)

 上着のボタンがはち切れてはいけないと頑張りを見せるものの、ボタンとボタンの間が肉で押されてグーンと大きく開いているではありませんか……。初めて自分が大きくなったことに気付き、ショック! もともと太りやすい体質ではなかったので、まさか自分が……と愕然としました。

(とにかくこの上着はまずい、恥ずかしい! ていうか、スカートもパツパツじゃない? だけど、制服のサイズを上げてくださいって言うのもなんか嫌だなぁ)

 迷いに迷いましたが、今出来ることはこの姿を早急になんとかすること!

上司との恐怖の会話

私「あの、制服のことで相談したいのですが」

上司「あぁ、高木さん。制服? 最近太ったよね、どうしたの?」

“太ってはいけない”空港スタッフ女性の苦労「制服のサイズ交換もNGだった」

(画像=『女子SPA!』より引用)
私「はぁ、まぁ。ひとつ上のサイズの制服に変えてもらうことって出来ますか?」

上司「うん、出来ない。無理。厳しいことを言うけれど、体型を維持するのもあなたの仕事のうちだから甘えないで。最初はそのサイズで問題なかったんだから、身体を戻す努力をしなさい」

私「……(痩せるまでこのパツパツな制服姿で働くの? 恥ずかしすぎるよ)」

 うつむく私に上司が言葉を続けます。

上司「あともうひとつ。ちゃんとしたもの食べてる? 眠れてる? 肌荒れもしてるよね。そういうところもお客様から見られてるよ。健康的に見えるように、生活を立て直して」

私「すみません……。気を付けます」