その後も具体的なやりとりが続く

その後も具体的なやりとりが続いた。内容はさもありなんと思わせる手続の内容で、しかも送信されてくるタイミングも、さもありなんと思わせる絶妙のタイミングで送付されてきた。

(数日後)

△自称銀行員→ ○筆者:
手続を進めているが、貴殿に代わってお金を代理で受け取る弁護士が必要。指定して欲しい。

○筆者→ △自称銀行員:
ドバイの弁護士に知り合いはいない。誰か紹介して欲しい。

△自称銀行員→ ○筆者:
了解。弁護士を紹介する。連絡先は………(電子メールアドレス)。

○筆者→ □自称弁護士:
紹介された弁護士へ電子メールを送付。要件は、筆者の代わりにお金を受け取って欲しいというもの。

(翌日)

□自称弁護士→ ○筆者:
要件はわかった。受任可能。

○筆者→ □自称弁護士:
では手続を進めて欲しい。

○筆者→ △自称銀行員:
紹介された弁護士に連絡を取って了解を得たので、手続を進めて欲しい。

自称銀行員⇒筆者:了解。

(翌日)

□自称弁護士→ ○筆者:
手続を進めるには銀行名、口座名義、口座番号などの情報が必要。必要な情報をリスト化したので教えて欲しい。

○筆者→ △自称銀行員:
自称弁護士から求められた必要な情報リストを転送して照会。

(数日後)

△自称銀行員→ ○筆者:
必要情報の回答あり。

○筆者→ □自称弁護士:
必要情報を転送。

必要経費を前払いとするか受取預金からの控除とするかで折り合いがつかずジ・エンド

(数日後)

□自称弁護士→ ○筆者:
昨日、銀行に訪問してきた。当職の訪問はまさに時宜を得たものであった。銀行は貴殿の預金を、まさに相続人不明の預金として処理をしようとしていたところであった。当職が訪問し交渉した結果、その処理を止めることができた。ついては受取手続を進めることにしたい。預金受取にはドバイ高等裁判所での正式な宣誓書が必要となる。手数料として9800米ドル必要。そのほかに、コンサルティング費用として4070米ドル、管理費用として6110米ドル必要。当職の銀行口座を指定するので送金して欲しい。

○筆者→ □自称弁護士:
  必要経費の金額は了解。ただし、前払いではなく、受領した預金から差し引いて支払うこととしたい。

(翌日)

□自称弁護士→ ○筆者:
先に送金して欲しい。

○筆者→ □自称弁護士:
海外送金の方法に慣れていない。受取預金からの控除で是非お願いしたい。

(翌日)
 
□自称弁護士→ ○筆者:
事後に受け取る金銭から差し引いて手数料を受領することは法律で禁止されている。

○筆者→ □自称弁護士:

当方は日本国の弁護士である。しかし、ドバイの法律には詳しくないから、ドバイのどの法律のどの条文に書いているのか教えて欲しい。

(翌日)

□自称弁護士→ ○筆者:

(法律のことには一切触れずに、)手続に必要な経費であり前払いに理解頂きたい。2670米ドルもの大金を受け取るチャンスを逃さないようにされたい。
(このようなやりとりを何度も続けたが議論が行ったり来たりするだけで折り合いが付かず、ジ・エンド)