汗をかくとスポーツドリンク飲みたくなりますよね!
前回の記事「アクエリアスとポカリスエット、どっちがおいしい?」では、「ポカリの方がおいしい」と感じる人が多い結果となりました。
アクエリアスとポカリスエット、なんで味が違うのでしょうか?
この答えを探すため、今日は、(面倒臭すぎるから普通は誰も考えない)、原材料と栄養表示からのレシピ推理をしてみました!!
アクエリアスとポカリスエットのレシピを考えてみる
原材料表示と栄養成分表示から、アクエリアスとポカリスエットのレシピを考えてみます。実は、これらの表示から、ちゃんと考えればレシピがほとんど分かってしまうのですが、普通の人は、考えるの面倒くさいので、そこまで考えないと思います。今日は、森進一のモノマネの練習をしたくなるくらいヒマだったので、そんなことに時間を使うよりは、と思い、原材料、栄養成分表示からレシピの推理をしてみました!
・アクエリアスのレシピ
まず、分かりやすいところから考えてみましょう。
<果糖ぶどう糖液糖>
でんぷんを異性化させた、果糖とぶどう糖です。
味、効果
甘いです。
飲料として「おいしくするため」、また、「エネルギー(カロリー)」を付与するために入れていると思われます。
添加量(100mLあたり)
栄養成分で「炭水化物4.7g」と書いてあります。
アクエリアスの原材料の中で、炭水化物はこの「果糖ぶどう糖液糖」だけなので、
⇒果糖ぶどう糖液糖 4.7g
で間違いありません。
※追記・修正
果糖ぶどう糖液糖4.7g、はには、水分が約25%含まれているので、この水分量を考慮して計算すると
4.7g/(1-0.25) = 6.3g、となります。
⇒果糖ぶどう糖液糖 6.3g
<アルギニン、イソロイシン、バリン、ロイシン>
これらは、すべてアミノ酸です。
参照:必須アミノ酸、ペプチド、BCAAって何? ~アミノ酸の味・構造・効果~
味、効果
全部、苦いです。
アルギニンは、免疫機能改善や強壮効果があります。
イソロイシン、バリン、ロイシンは、3つ合わせてBCAA(分岐鎖アミノ酸)と言われ、筋タンパク中にたくさん含まれており、運動後の疲労回復に効果があります。
添加量(100mLあたり)
栄養成分に全部そのまま書いてありますね。
⇒アルギニン25mg、イソロイシン1mg、バリン1mg、ロイシン0.5mg
<塩化K>
塩化カリウム(KCl)です。
味、効果
味は、苦味を伴う塩味があると言われ、「減塩」を謳ってる商品に、食塩(塩化ナトリウム)の代わりとして使われることもあります。
ミネラルの1つである「カリウム」を付与するために入っていると思われます。
添加量(100mLあたり)
栄養成分で「カリウム 8mg」と書いてあります。
カリウム(K)の分子量・・・39.1
塩素(Cl)の分子量・・・35.4
であることから、
塩化カリウム(KCl)の量=8×(39.1+35.4)/39.1=15
と計算できます。
⇒塩化K 15mg
<硫酸Mg>
硫酸マグネシウムです。
味、効果
苦味があります。海水に含まれていて、海水から塩を作るときにできる「にがり」成分の一つです。
ミネラルの一つである「マグネシウム」を付与するために入ってると思われます。
添加量(100mLあたり)
栄養成分で「マグネシウム 1.2mg」と書いてあります。
マグネシウム(Mg)の分子量・・・24.3
硫酸マグネシウム(MgSO4)の分子量・・・120.4
であることから、
硫酸マグネシウム(MgSO4)の量=1.2×120.4/24.3=6
と計算できます。
⇒硫酸Mg 6mg
さて、これまでの結果を整理してみましょう。
もう、半分くらいのレシピが解明されましたね!
頑張って残りのレシピも推理していきましょう!
<塩化Na>
塩化ナトリウム、つまり食塩のことです。
味、効果
ご存知のとおり、味はしょっぱい(塩味)です。
ミネラルの一つである「ナトリウム」を付与するために入っていると思われます。
添加量(100mLあたり)
栄養成分で「ナトリウム 40mg」と書いてあります。
ナトリウムは塩化Naとクエン酸Naに含まれておりますので、
塩化Naに含まれるNa+クエン酸Naに含まれるNa=40mg
ということになります。
また、原材料表示は「量の多い順に記載する」というルールがあるため、
クエン酸Naは25mg(アルギニンの量)以上入っていることになります。
食品に使われるクエン酸Naは、一般的にクエン酸三ナトリウム(クエン酸にNaが3つくっついてる)であり、
Naの分子量=23
クエン酸三ナトリウムの分子量=258.1
であることから計算すると、
クエン酸ナトリウムの量が25mgであった場合のナトリウムの量=25×(23×3)/258.1=7
つまり、クエン酸ナトリウムには少なくとも7mgのナトリウムが含まれていることになり、
塩化Naに含まれるNa=40-7=33mg
Clの分子量=35.4
であることから
NaClの量=33×(23+35.4)/23=84
塩化Naは最大84mg入っていることになります(クエン酸ナトリウムが25mgの時)
また、原材料表示は「量の多い順に記載されている」というルールより
塩化Na>クエン酸Na
となります。
塩化Naに含まれるNa量を▲とするとクエン酸Naに含まれるNaは40-▲と表すことができます。
塩化Naの量=▲×(23+35.4)/23
クエン酸Naの量=(40-▲)×258.1/(23×3)
計算すると▲>23.8
となり、最小の塩化Na量=23.8×(23+35.4)/23=60
つまり、塩化Naの量は60~84mgと導き出されます。
(同様に、クエン酸Naの量は25~60mgと計算されます)
⇒塩化Na 60~84mg
<クエン酸Na>
酸味の代表であるクエン酸のナトリウム塩です。
味、効果
クエン酸のように酸味があるわけではなく、酸味を和らげたり、味の調整をする機能があります。
添加量(100mLあたり)
塩化Naのところでご説明したとおりです!
⇒クエン酸Na 25~60mg
<クエン酸>
代表的な酸味成分です。
味、効果
すっぱいです!クエン酸の酸味で、爽やかさを付与しているのだと思われます。
添加量(100mLあたり)
これは、ヒントが少ないので推測するしかないのですが、
・クエン酸Naが25~60mgで塩化Naが60~84mg
・アクエリアスを飲んだ時に、酸味を感じる(塩味はあまり感じない)。個人的に、塩味より3~5倍は酸味があるのではないかと。
・クエン酸の閾値は食塩(塩化Na)よりも5倍くらい小さい(クエン酸は食塩の1/5の量でもすっぱいと感じる)
ことから、クエン酸の量は、食塩(塩化Na)よりも気持ち少なめに入っているレベルだと思われます。だいたい60mgくらいでしょう。(あくまで推測です)
というわけで・・・
⇒クエン酸 60mg
<香料>
香料とは、その名のとおり、食品に香り(と味)を付与する添加物です。
味、効果
「香料」には、ものすごく多くの種類の香りもあり、無限の可能性があります。「香料」という表示だけでは、何の香りなのか、ノーヒントすぎてお手上げです。
添加量(100mLあたり)
これも、原材料表示の順番から推定するしかありません。
「香料」は「クエン酸」と「クエン酸Na」の間の順番に記載されています。
クエン酸Na・・・25~60mg
クエン酸・・・60mg
より、
⇒香料 25~60mg
<甘味料(スクラロース)>
砂糖の600倍甘い、高甘味度甘味料の一つです。
味、効果
カロリーを抑えつつ甘さを付与することが出来ます。また、もしかすると、砂糖の甘味よりもスクラロースの甘味のほうがアクエリアスの味にマッチするのかもしれません。
添加量(100mLあたり)
これもあまりヒントがない・・・
前回の記事(アクエリアスとポカリスエットはどっちがおいしい?~味覚診断イベント調査結果~)では、
「ポカリとアクエリ、どっちが甘い?」との質問に、「ポカリのが甘い」と答えた人は、「アクエリのが甘い」と答えた人よりも多い結果でした。
つまり、ポカリの甘さ > アクエリの甘さ ということになります。
アクエリの果糖ぶどう糖液糖は4.7g、ポカリの砂糖と果糖ぶどう糖液糖と合計は6.2g(砂糖と果糖ぶどう糖液糖の甘さはほぼ同じ)であることから、スクラロースの甘さは砂糖1.5g分より少ないことになります。
スクラロースの甘さは砂糖の約600倍であることから、
スクラロースの量<2.5mg
となります。
⇒甘味料(スクラロース) 1~2.5mg
<乳酸Ca>
乳酸カルシウムです。
味、効果
味にはほとんど影響を与えません(味の変化を抑える、味を整える効果もあるようです)。
ミネラルの一つである「カルシウム」を付与します。
添加量(100mLあたり)
ノーヒントでフィニッシュです。原材料表示の順番から推測するしかありません。
⇒乳酸Ca 1~6mg
<酸化防止剤(ビタミンC)>
レモンなどに入っているビタミンCです。
味、効果
ビタミンCは、このくらいの量ではほとんど味に影響はありません。
酸化(酸素と反応して品質が劣化すること)を防ぎます。
添加量(100mLあたり)
これも、ヒントなさすぎてどうしよもない・・・。原材料表示の順番から推測します。
⇒酸化防止剤(ビタミンC) 1~6mg
さて、お待たせしました。
アクエリアスのレシピ(推理)を発表します!
これで、家でもアクエリアス作れますね(笑)