今後、新型コロナウイルス感染拡大の第2波が予想され、すでに起こったコロナ禍の影響もまだ色濃く残るなか、世界的に不安定な経済状況が続いています。第2波到来となれば、再び経済活動に大ダメージを与えることは必至で、資産運用を行っている人からすると不安が尽きないことでしょう。そこで今回は、コロナ禍の状況に流されないよう資産運用において留意しておくべき心得を考えてみましょう。

コロナ禍による資産運用への影響状況

2.コロナ不況でも慌てないで!注意すべき資産運用のルール
(画像=tak/stock.adobe.com,『UpU』より引用)

4月7日には政府の新型コロナウイルス感染症対策本部より、特別措置法に基づく「緊急事態宣言」が発令されました。外出自粛や営業停止などは要請にとどまり、ロックダウンのような強硬手段もなく緩やかな規制で経済活動を維持する方針で感染対策を進めましたが、経済に対する影響を抑え込むことはできず、GDPは戦後最大の落ち込みになりそうです。

この状況下、大手資産運用会社の野村アセットマネジメントが2020年3月に約5,300人の個人投資家に行った緊急アンケート調査によると「つみたて投資」では59%、一括投資では68%の人が、損失が発生していると回答しました。

また、株式会社アイネット証券が個人投資家を対象として5月に実施した調査では、コロナ禍が拡大する中で「どのような対策を行ったか」という質問に対し、「リスクのある資産を売却」という回答が33.5%でトップでした。

このように実際に損失を被っている人や、対策をこうじる人が増えていることから、先行きに不安を覚えている人が多いようです。

運用に対して考えなければならないこと

3.コロナ不況でも慌てないで!注意すべき資産運用のルール
(画像=polkadot/stock.adobe.com,『UpU』より引用)

メディアなどの報道では倒産、廃業という言葉が頻繁に飛び交い、資産運用に関しても慌てた行動をとりがちな状況にありますが、焦ってはいけません。経済の状況は今後の見通しが不透明なところもあり、慌ててとった行動が裏目に出てとり返しのつかない状況になることもあります。

焦った行動は禁物!「つみたてNISA」なら状況を見据えて

先述のように、コロナ禍によってリスクのある株を売却したという投資家が増えており、日経平均株価が急速に値を下げたのを見ると、初心者ほど焦って売却を考えてしまいがちですが、そこは冷静になりましょう。

特に2018年に導入された「つみたてNISA」をきっかけに積立投資を始めた人にとっては、今回が初めて迎える大きな不安材料だと言えます。ただ、ここは落ち着いて状況を見据える必要があり、投資の中断や極端な減額はやめておきましょう。

先行きが見えない経済状況下では、不安からあれこれ考えてしまう気持ちはわかります。しかし、こういった状況を見据えたリスク軽減も「つみたてNISA」のような長期投資のメリットの1つでもあり、その効果を信じて積立を続けていくことが得策でもあります。

むやみに株や投資信託に手を出さない!

一方で市場が大きく混乱していることから株価の予測は難しく、「今が買いだ」と投資初心者が軽い気持ちで株式を購入することはリスクがあるとも言えます。

実際に株価が下落する企業がある一方で、コロナ禍の中で株価を大きく上昇させた企業も存在しており、経験のある投資家が買いに向いているのを見て、好調に見える株式を購入したくなる気持ちも分かりますが、短絡的な株価の上昇に乗じた株式の購入は大きなリスクをともないます。

コロナ禍による不況が全て落ち着き、徐々に元の生活が戻り始めた時点で、その企業の株価が必ずしも引き続き上昇傾向をたどるとは限りません。投資の経験がそれほどない人は、新たな投資は避けたほうが無難だと言えるでしょう。