突然ですが、あなたの一番好きな「オレンジジュース」は何ですか?

・ポンジュース?
・バヤリース?
・なっちゃんオレンジ?

上の3つのどれかを答えたあなた、間違いです!
これらの飲料は、どれも、正式には(JAS法に基づけば)「オレンジジュース」と言いません!

今日は、知っているようで実はほとんどの人が知らない、
「オレンジジュース」の秘密をお話します!!

さて、「オレンジジュース」というと、みなさん何を思い浮かべるでしょうか?

近くのスーパーで見かける「オレンジジュース」5種をピックアップしてみます。

1.「ポンジュース」

ポンジュースがおいしい理由~「濃縮還元」「オレンジジュース」表示の秘密~
(画像=味覚ステーションより引用)

2.「バヤリース」

ポンジュースがおいしい理由~「濃縮還元」「オレンジジュース」表示の秘密~
(画像=味覚ステーションより引用)

3.「なっちゃん」

ポンジュースがおいしい理由~「濃縮還元」「オレンジジュース」表示の秘密~
(画像=味覚ステーションより引用)

4.「トロピカーナ」

ポンジュースがおいしい理由~「濃縮還元」「オレンジジュース」表示の秘密~
(画像=味覚ステーションより引用)

5.「メイトーオレンジ100%」

ポンジュースがおいしい理由~「濃縮還元」「オレンジジュース」表示の秘密~
(画像=味覚ステーションより引用)

この上記5つの飲料のうち、実は、
そもそも「ジュース」ですらないもの(JAS法に基づけば「ジュース」と表示できないもの)があります。

それは、
・「なっちゃん」
・「バヤリース」
です。

JAS法(農林物資の規格化等に関する法律)では、
果汁100%のもの以外は「ジュース」と表示してはいけないことになっています。

「なっちゃん」や「バヤリース」は果汁100%ではないため、
「○○%果汁入り飲料」や「清涼飲料水」と表示されます。

ちなみに豆知識ですが、
果汁100%入りかどうか、をパッと見た目で判断するには、
商品の外観に「果実の断面図」があるかどうか、で簡単に分かります。
(バヤリースは、オレンジ顔のキャラクター「オレンジマン?」がラベルされていますが、もしこの「オレンジマン?」が顔にケガをして、中身が見えてしまったら法律違反となります。)

果汁100%入りのジュースは「果実感」を追及していて、果汁100%でないものは「飲みやすさ」を追及しているものであると思われますが、さすがに「果汁100%かどうかは飲めば分かるよ!」という人がほとんどでしょう。しかし・・・

「果汁100%入りジュース」同士を飲み比べてみて、違いが分かるでしょうか?

そこで、当協会で味覚診断を実施頂いた方のうち18人を対象に、
紙コップに「ポンジュース」と「メイトーオレンジ100%」を入れて、ブラインド(目隠し)でどっちがおいしいかアンケート実施しました。
(何のジュースが入っているのかは分からない状況で、試飲してもらいました)

「ポンジュース」

ポンジュースがおいしい理由~「濃縮還元」「オレンジジュース」表示の秘密~
(画像=味覚ステーションより引用)

「メイトーオレンジ100%」

ポンジュースがおいしい理由~「濃縮還元」「オレンジジュース」表示の秘密~
(画像=味覚ステーションより引用)

その結果

ポンジュースがおいしい理由~「濃縮還元」「オレンジジュース」表示の秘密~
(画像=味覚ステーションより引用)

7割以上の人が、「ポンジュースのがおいしい」と答えました。

(ちなみに「伊右衛門 特茶」と「ヘルシア緑茶」のおいしさ割合は同じでした。)

「ポンジュース」と「メイトーオレンジ100%」は値段も2倍くらい違いますし、「ポンジュースの方がおいしい」と答える人が多いのも納得します。

では、なぜ「ポンジュース」はおいしいのでしょうか?

わかった!
「メイトーオレンジ100%」 ⇒ 濃縮還元だけど
「ポンジュース」 ⇒ 濃縮還元じゃないからだ!

と思った方、きっとタイトルから素直に考えてくださったのだと思いますが・・・

違います!!

「ポンジュース」も「メイトーオレンジ100%」も、濃縮還元です!
(濃縮還元じゃないポンジュースもありますが、今回の比較で使用したポンジュースは「濃縮還元」のものです)

さて、 「濃縮還元」というワードがいきなり出てきましたが、正直よくわからないよ、という方もちらほらいるのではないでしょうか(私もちょっと前まで正直よくわかっていませんでした)。

そもそも、「濃縮還元」って何のことでしょうか?

濃縮果汁について
・果汁から水分を取り除いて濃縮したもの ⇒濃縮果汁
・濃縮しないで果汁をそのまま殺菌したもの⇒ストレート果汁

と呼びます。

<なぜ果汁を濃縮するの?>
水分を取り除いて量を減らすことにより、輸送や保管に必要なコストが減らせます!

<なんでコストが減らせるの?>
例えば、海外から船で果汁を運ぶ場合、船1隻で果汁1000トン運べるとすると、濃縮しなかったら1000トンしか運べないのに対し、5倍濃縮したら5000トン分の果汁を運べます!果汁を5倍濃縮すると、燃料代とかの輸送コストが1/5になります。