iDeCoでも王道は低コスト運用
iDeCoの運用等を行う運営管理機関(金融機関)は155社である(2016年10月1日現在。国民年金基金確定拠出年金部ヒアリング)。どこを選ぶべきかは重要なポイントだ。iDeCoを紹介した書籍や記事には、「商品ラインアップから」金融機関を決めましょう、とされているものが多い。しかし筆者の判断は「一番初めに運用対象のコストチェックを行う」である。
同じ金融機関の中でも、DC向け外国株式のインデックス型の信託報酬が0.2268%のものがある一方で、アクティブ型1.458%の設定がされているものもある。同じ外国株式の投資対象でも、信託報酬が6倍強も変わってくるのだから驚きだ。
さらに、この2銘柄の1年リターンを比較すると、インデックス型が1.41%、アクティブ型を上回っていた。いつも必ずインデックス型の運用が優位かと言えば、そうは言い切れない面もある。しかし、「低コスト」は投資家がコントロールできる、「運用リターンを上昇させるカギ」であると筆者は言い続けている。
選んではいけない金融機関も
投資運用を行う前提(元本確保型商品は除外)、低コストのインデックス運用が王道であるとの前提で、あるiDeCoガイドのサイトに掲載されていた58社の信託報酬0.40%未満の投資信託の商品のカテゴリーとラインアップを調査した。
筆者は独立系アドバイザーであり、系列や取引先とのしがらみが無いため定めたルール通りに判断する方針で臨んだ。すると、他の紹介記事やガイド本では紹介されていない、一部の地方の金融機関がランキングに食い込むという結果となった。
逆の事象も発生した。誰もが知っている金融機関で、「信託報酬0.40%未満」のラインアップが1本も無かった金融機関もあった。筆者はこれらの金融機関を選択すべきではないと考えている。60歳までの期間、毎月積み立てをするiDeCoにおいては、商品の選択、金融機関の選択により、「投資リターンが変わる」可能性が高い。投資家にはイメージよりも実際の実力を、「コストの視点で判断」した上で、このiDeCoのメリットを存分に活用して欲しいと思う。
文・安東隆司(CFPRファイナンシャル・プランナー)/ZUU online
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