いま「金」(ゴールド)の価格が上昇しています。なぜでしょうか。その要因には、「有事の金」という考え方や、金融当局などによる資金供給策などがあるとされています。この2点を掘り下げて考えていきましょう。
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「有事の金」は戦争・紛争時以外にも当てはまる?
投資の世界には「有事の金」「有事の金買い」という言葉があります。「有事」とは一般的に戦争や紛争を指し、「有事の金」は戦争などが起きたときに金が買われやすくなることを指します。
有事のときに金が買われやすくなる理由は、不安定な通貨や証券などに比べて、「実物資産」である金の信頼性に注目が集まるからです。事実、米ソ冷戦下やイラク戦争などでは「有事の金」の動きが顕著でした。
ただ最近では戦争や紛争だけではなく、経済的な混乱時にも金が買われる傾向があり、「経済有事の金」という言われ方もするようになりました。過去のリーマンショックで金が活発に買われたことは、その代表例の1つであると言えます。
金融緩和策が金価格に影響を与える
アメリカの連邦準備制度理事会(FRB)が発表した資金供給策は、金への資金の流入をさらに活発化させたと考えられています。
市場に資金を供給するということはそれだけ貨幣の価値が下がるということです。貨幣の価値が下がると、「有事の金」と同じように実物資産である金を買う動きが目立ち始めます。
米連邦準備制度理事会(FRB)だけではなく、各国の中央銀行などが資金供給策を含む金融緩和を行うようになればさらに金に資金が流れ、金の価格が一層上昇していく可能性があります。
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