子どもの夢は叶えてあげたいと思うのが親心。では、子どもが医者になりたいと言ったらどう思うでしょうか。もちろん応援したい気持ちはあるものの、平均的な教育費用として考えて用意している金額で足りるのかという不安が頭をよぎるかもしれません。そのような不安に陥らないためには、どのくらいの教育費を用意しておけばいいのでしょうか。

子どもが医者になりたいと言ったら

2子育て世帯必読!子どもが医者になりたい場合に必要な教育費は?
(画像=chachamal/stock.adobe.com,『UpU』より引用)

医者になりないという夢は小さい子どもであれば一度は持つものかもしれません。しかし、ある程度の年齢になった子どもが医者になりたいと言うのであれば、相当の決意と覚悟を持って言っていると捉えていいでしょう。

そうなると、親としても真剣に受け止めなければなりません。では、医者になる方法、そしてその費用はいくらくらいかかるものなのでしょうか。

医者はどうしたらなれる?

医者として仕事をするには「医師免許」が必要です。「医師免許」を取得するためには、大学の医学部または医科大学に6年間通い、さらに医師国家試験に合格した後、都道府県知事が指定する病院などにおいて2年以上の臨床研修を受ける必要があります。

この臨床研修は初期と後期に分かれており、初期の2年間はさまざまな医療分野を学ぶことになっています。初期の臨床研修は法律で義務づけられていることから、初期の臨床研修が終われば、医師として医療行為を行うことができるとされています。そして後半の臨床研修で自分の進みたい診療科を決め、その分野においてさらに数年間専門的な研修を受けることになります。

医学部は学費が高いって聞くけど?

医学部と聞くと、お金がかかるイメージがありますよね。では実際にどのくらいかかるものなのでしょうか。大手進学塾「河合塾」が運営する医学部受験者のためのサイト「医進塾」によると、私立の医学部のなかで学費(2020年度)が低い大学は以下のとおりとなっています。

学校名 6年間の学費総額(※)
国際医療福祉大学 1,910万円
順天堂大学 2,080万円
慶応義塾大学 2,205万円
日本医科大学 2,229万円
自治医科大学 2,260万円
東京慈恵会医科大学 2,281万円
東邦大学 2,629万円
関西医科大学 2,814万円
昭和大学 2,817万円
東京医科大学 2,983万円
※1万円以下切り捨て

ちなみに国公立大学の医学部であれば、学部に関係なく学費が一律であることから、6年間の総額は約350万円程度と言われています。一方、私立大学の医学部となると一番安い大学でも2,000万円程度がかかることがわかります。

小学校から大学まで公立の総費用は

文部科学省の「平成30年度子供の学習費調査」によると、小学校から高校(全日制)までが全て公立だった場合の費用については、約476万円となっています。これに上で述べた国公立大学医学部費用を合算すると、約830万円となります。

小学校から大学まで私立の総費用は

では、小学校から大学まで全て私立の場合、その費用はいくらになるのでしょうか。

上記と同様の文部科学省の資料を用いて計算すると、小学校から高校までが全て私立であった場合の費用については、約1,671万円となっています。そして、私立大学の医学部で一番安いケースであれば、6年間の費用は約2,000万円ですので、それを合わせた約3,671万円がトータルの学費ということになります。

国公立、私立それぞれのメリットは

3子育て世帯必読!子どもが医者になりたい場合に必要な教育費は?
(画像=sharaku1216/stock.adobe.com,『UpU』より引用)

国公立大学および私立大学の医学部にはそれぞれにメリットがあります。もちろん国公立は学費が安いことが一番のメリットですが、ほかにはどのようなメリットがあるのでしょうか。ここで、国公立そして私立のメリットについて見ていきましょう。

国公立

上でも述べたとおり、国公立の一番のメリットは学費が安いことです。また国公立の場合、私立と比較し全般的に偏差値が高い傾向にあります。

私立

私立と国公立の一番の違いは試験科目です。国公立の場合、医学部であっても共通テストの試験科目には理系分野だけでなく全ての科目が含まれます。私立は大学によって試験科目が異なり、科目数についても国公立よりも少ない科目数で受験できることがメリットです。

また、私立大学の場合は試験問題についても大学によって特徴を持たせているところもあり、受験対策がしやすいという点もメリットと言えるでしょう。

子どもに不自由させないための教育費を形成するには?

4子育て世帯必読!子どもが医者になりたい場合に必要な教育費は?
(画像=ungyo/stock.adobe.com,『UpU』より引用)

医学部進学に限らず、大学進学において自宅外から通う際には下宿代などが発生しますし、場合によっては塾や予備校など学校の授業料以外の教育費も発生します。したがって、子どもの教育費についてはある程度余裕を持った計画を立てて準備することが大切です。

教育費用を準備するための代表的な方法にはどのようなものがあり、それを用いて準備する際にはどのような点に気をつけていけばいいのでしょうか。

貯蓄

教育費用を用意する方法として一番オーソドックスな方法が貯蓄でしょう。「積立定期」や、まとまった資金があるのであればさらに定期預金よりも高い金利で預けることができる「スーパー定期預金」などの商品を組み合わせながら、確実に増やしていきましょう。

また、口座を1つにまとめておくと、急な出費の際に使ってしまう可能性があります。したがって、教育資金として貯めていくのであれば、専用の口座を作り、入金のみで利用するなどの工夫を考えましょう。

学資保険

学資保険の利用も教育費用を用意する方法として多く用いられています。学資保険とは子どもの教育資金を貯めるための保険で、学資保険に加入し、決められた保険料を払い込むと、将来、子どもが大学に入学するタイミングなどで満期金や学資金という名目でまとまったお金を受けとることができます。

最近の学資保険では返戻率が低いものが増えていることから、契約の際にはできるだけ高い返戻率があるものを選ぶとよいでしょう。また、保険料の支払い方法によって返戻率を上げることができる商品もありますので、まとまった資金があるのであれば、支払い方法についても検討してみましょう。