地中美術館や家プロジェクト、かぼちゃのモニュメントなど見どころ満載の直島ですが、多くの観光客が見逃してしまう穴場のアートスポットがあります。直島観光に加えてほしい穴場アートスポットを紹介します。

瀬戸内アートのメッカ、直島

瀬戸内海に浮かぶ香川県の直島は、2010年より始まった瀬戸内国際芸術祭の開催地の1つであり、瀬戸内アートの代表的な島です。草間彌生のかぼちゃや安藤忠雄の建築など、世界的に著名な人の作品が多く展示されており、世界中から観光客が訪れています。

地中美術館や家プロジェクトなどを目当てにこの島を訪れる人が多いのですが、実はあまり目立たない場所に大っぴらな宣伝もされずひっそりとある、穴場なアートスポットがあるのはご存じでしょうか?

【1】三島喜美代「もうひとつの再生 2005-N」

道路脇に急に現れる、高さ4m50cmもの巨大なゴミ箱のアート作品。リサイクル芸術と呼ばれるもので、大きな鉄製のゴミかごのなかに古新聞やチラシが入れられており、私たちの生活が大量の情報と廃棄物に囲まれていることを現わしているそうです。

【香川】見落とさないで!直島の隠れアートスポットはディープな穴場
(画像=dory 手前にいる人との比較で大きさがよくわかる、トリップノートより引用)

メインの道路からは外れているためバスは通らず、自転車を利用する人も通らない場所。この作品を知っている人でなければわざわざ行かない場所にあります。直島には産業廃棄物の中間処理施設があり、環境問題と現代アートとの取り組みにふさわしい作品として設置されています。

【2】ベネッセハウス宿泊者専用の桟橋

【香川】見落とさないで!直島の隠れアートスポットはディープな穴場
(画像=dory、トリップノートより引用)

美術館の中にあるホテル「ベネッセハウス」の近くには宿泊者専用の桟橋があります。通常、フェリーや小型船は別の港に到着するので使われることはありませんが、自家用船の場合のみ使えるようです。簡素な作りでありながら、海に向かって伸びる桟橋はそれもまたアート作品かのように見えます。

【3】片瀬和夫「茶のめ」

【香川】見落とさないで!直島の隠れアートスポットはディープな穴場
(画像=dory、トリップノートより引用)

先ほどの桟橋に上陸し歩いていくと、一番最初に目に入るのがこの作品。「遠いところようこそ。まぁ、茶でも飲んで。」「いらっしゃいませ」といった意味合いのある作品で、来訪者を迎え入れているのだそうです。

【4】Walter De Maria「見えて 見えず 知って 知れず」

地中美術館にすでに行った人ならすぐに分かるWalter De Mariaの黒い球体の作品。美術館内では撮影は禁止されているこの作品と同様のものが、屋外展示されていることを知らずに直島を去ってしまう方が多いのです。

【香川】見落とさないで!直島の隠れアートスポットはディープな穴場
(画像=dory この先に広がる瀬戸内海を見つめる黒い球体、トリップノートより引用)

海に面し、屋外に展示されたことで黒い球体に瀬戸内海の景色が映り込んで、また違った作品のようにも感じられるものになっています。

【5】大竹伸朗「シップヤード・ワークス」

家プロジェクトの「はいしゃ」や「直島銭湯」の作者である大竹伸朗さんのこの作品。浜辺に船のカケラ二つがバラバラに展示されているものです。

【香川】見落とさないで!直島の隠れアートスポットはディープな穴場
(画像=dory 作品名:シップヤードワークス 船尾と穴、トリップノートより引用)

廃船をヒントにしており、船を作る順序で作ったものを分割して塗装したものだそうです。実は大小の穴がいくつも開いている作品「船尾と穴」と、砂浜に突き刺さっている作品の「切断された船首」の二つの作品がセットになっているもので、二つを見てようやく対になっている作品だと分かります。

また隣の島、豊島には針工場というこれまた船をモチーフにした作品もあり、合わせてみておきたいです。