平成以降、美容室の数は年々増え続け、2019年は過去最高となりました。では、なぜそこまで美容室が増えているのでしょうか。その疑問に答えるため、美容室が増えている理由やその裏側について探ってみました。

2019年の美容室店舗数は過去最多の25万4,422軒

厚生労働省が公表している「令和元年度衛生行政報告例概況(2019)」によれば、2019年の美容室数は、1991年からの28年間で過去最多の25万4,422軒となっています。前年より3,282軒も増加したことになります。

全国にある信号機の総数(20万8,168基)を大きく超えた数字となりました。

美容室が増えた主な理由として、美容室が比較的新規開業しやすいことが挙げられます。また、大手美容室チェーンが年々店舗数を増やしていることも理由の一つとなっているようです。

美容室が増え続ける裏で倒産数も増えている

美容室が年々増え続ける裏で、倒産する美容室の数も増えています。

帝国データバンクが公表している最新の情報によれば、美容室を含めた2019年の美容業倒産数は過去最多の162件。うち、負債5,000万円未満の小規模倒産が9割となっており、規模が小さな美容室が数多く倒産していることがうかがえます。また、東京商工リサーチは、「解散や廃業などで閉店した美容業者数も含めると、美容業の閉店数は数千店舗にのぼる可能性がある」と述べています。

美容室が次々と新規開店している分、美容室の競争が激化し、競争力がない小規模な美容室が数多く閉店していることがうかがえます。