保育園ママも、子どもが年中さん・年長さんになってくると小学生準備が始まります。入学準備を進めれば進めるほど、「小1の壁」という言葉を耳にする機会が増えるのではないでしょうか。 「え?小学生になったら、子どもって成長するんじゃないの?そうしたら、今よりもっと仕事の時間がとれるんじゃないの…?!」

ブー。全然、不正解。  というより、先輩ママが言われたら怒るレベル。

交通事故です。交通事故が起きました! というのは冗談ですが、「えー!知らなかったー!」という方も中にはいらっしゃるかもしれませんので、ここで改めて予習をしていただければと思います。

小1の壁は予習して不安・退職を防ぐ

小1の壁とは、働くママ(ワーママ)が、小学校入学時にぶち当たる大きな難関の数々のことをいいます。仕事・育児・家事のバランスが崩れることが多いようです。

子どもが小学生になると、時短切り上げを求める職場もあるのに対し、いきなり保育園を卒園したからといって子育ての手間暇が大きく削減されることはない…。そんな温度差が周囲と生じる中、板挟みになり泣く泣く退職を選択するなんてお話もよくあるようです。

しかし、低学年というのはものの1~2年。その間退職することなく乗り切っているワーママは、いったいどんな事をしているのかを知り、不安を取り払って準備を始めるのがよいと思われます。

まず、具体的に実例を挙げてみていきましょう!

こんなことで戸惑った! 実例10選

1.学童の時間が短い・友達がいない

1つ目の大きな変化は、保護者が帰宅するまで待機する施設が保育園から「学童」にかわることが大きいのではないでしょうか。「学童」は公的機関が設置した公設学童と、民間で運営される学童の2種類があります。

学童保育の設置根拠は、児童福祉法第6条3の第2項に基づく。 この法律で、放課後児童健全育成事業とは、小学校に就学している児童であつて、その保護者が労働等により昼間家庭にいないものに、授業の終了後に児童厚生施設等の施設を利用して適切な遊び及び生活の場を与えて、その健全な育成を図る事業をいう。
引用元:児童福祉法(昭和二十二年十二月十二日法律第一六四号)より第六条, 総務省e-gov

さらに細分化すると英語や習い事などに特化した民間学童など、種類も年々多様化しています。保育園のイメージが強い保護者が陥りやすい壁は、「保育園と比べて運営時間が短い」または、学童が19時まで運営していても、18時になると他の子がいなくて、かわいそう。など、「一定の時間になるとお友達が全員帰宅してしまう」などの壁が挙げられます。

2.情報交換ができない

保育園では、お迎えにいくと保育士の方とお話する時間が多少でき、どんな様子だったのかを手に取るように理解することができました。これが小学生になると、小学校を下校したあとに学童へ行きますから、実際の学校生活を十分に知ることが困難となります。

知人やママ友などがまったくいない小学校へ通う場合には、しばらくの間「学校生活でのことは、子どもからきく情報が全て」という状況が続き、親御さんにとっては入学後1週間~数か月は不安な日が続くことでしょう。

3.忘れ物

学校での様子がわからないと増えるのが、忘れ物。ほとんどの場合、持ち物は連絡ノートに翌日必要なものをメモするか、先生が作成したプリントに持ち物が書かれているなどが多いようです。

低学年の頃は、自分でメモしてくる事そのものを忘れることもあれば、せっかく持ち物を記載しても連絡ノートそのものを忘れることも。

逆に、「連絡ノートに書き忘れた」というパターンもあります。全ての生活は、わが子の自己申告でしか事実確認ができない状況となり、「これで本当にあってるの?」と思う瞬間が多発します。

4.代休・お弁当

課外授業などが設けられている学校では、土曜日に課外授業など行われる場合があります。その場合のほとんどは、次週の月曜に代休として休みをまかなうことが多いようです。

代休の日にある子どもの預け先は、小学校ではなく学童となりますから、給食は提供されません。代休=お弁当を持っていく日、となることが多いようです。働くママには負担となることも多いでしょう。

5.学級閉鎖

これです。大変な壁です。インフルエンザなど集団感染が流行した場合に起こる、学級閉鎖。

もし集団感染が発生し、感染すれば、学童へのお預けも不可能となります。共働きのご家庭でも、お仕事をお休みするほかない…というケースが多発します。

6.夏休み(長期休み)のお弁当・宿題

小学校の長期休みは、特に夏休みが長く、7月の後半から8月後半などほぼ1ヶ月かそれ以上の期間、小学校は休みとなります。

しかし、会社員の休みはどんなに頑張っても1週間取得できれば長い方ですから、「夏休みの間はどうしよう…どこへも連れて行ってあげないのもかわいそう。」「毎日学童でいいの?」となりがちです。また、子どもが毎日学童へ行くことになれば、その期間は毎日お弁当づくりが必須となります。

さらに、長い休みの間は自由研究など「これ、子どもにしなさいって言っただけでは、絶対やらないよね…?」という量の宿題を課せられることになり、低学年の親は目を光らせて進捗確認をし、ヘルプをする必要があります。自由研究に必要な材料の買い出しなども重要なタスクとなってきます。

7.授業参観

授業参観は、長期休みの前後や行事の前後の平日などに行われることが多いようです。学年が上がるにつれ参観する保護者は減少する傾向にあります。

小1~小2の低学年のうちは、ビデオカメラを持ったパパとママが朝からベタづきのフルコンボで対応…というご家庭も多いので、むげに不参加と判断することは難しいように感じられます。

授業参観後には、「懇談会」が設けられる場合もあります。公立小学校でもそこまで共働きが浸透していないのか、筆者の経験ではパパの参加率はゼロに近いようです。保育園で協力的だったパパも参加のハードルが上がることでしょう。

[小1の壁対策]共働き・時短・ワーママはどう乗り越える?
(画像=Kajilyより引用)

8.PTA

PTAでは、児童が多い小学校でも役割分担が増えますので、「児童数が多いから大丈夫なのでは?」とPTAの役割を免れることは非常に難しいようです。

こちらもまた保育園の役員と比較すると格段にママの参加率が高く、パパにとってはハードルの高い内容。

PTAでの活動内容としては、小学校の新聞などを作成をする「広報」、事務的に学年&学級行事をサポートする「学年委員(学級委員)」、通学路に立って安全な通学を見届ける「地区委員(郊外、地域、安全委員)」など様々な分担があります。

共働きママの集いやすい活動、集いにくい活動(平日昼間の出席が必須など)があるようです。

9.突然の「持ち物」

お迎えにいき、ご飯も終わりさあ入浴して寝ようかという時刻に、子どもが思い出したように「ねえ!あした、サランラップの芯がいるんだけど。」などということがあります。目が、三倍くらい開きます。高鳴る鼓動、子どもの愛想笑い。

翌日のレクレーションや授業、図工、実験などの内容によって、「いるんだけど!」と言われるものは「竹ぐし」かもしれませんし、「紙コップに紙皿」「セロファン」「三角定規」「虫かご」かもしれません。

当然ながら、夕食後になってからは文房具店が閉店していることもありますし、仮に開いていたとしても22時ごろに入浴後の段階で外出というハードルの高さとなるので、ご注意を。日頃から学校生活で利用する消耗品は、ストックしておくとよいでしょう。

10.意外な敵

最後に、意外な敵として挙げるのは「子どもが小学生になったら楽なんじゃないの?」と思ってる方すべてが対象となることでしょう。むしろ、現役の子持ちでもそういった先入観があることもあるくらいですから、職場などでもそのように感じて、小学生ママになる社員に対し「時短おわるのかな」と期待されるケースも多発します。

子どもが成長するという事は精神的にも成熟するわけですから、教育といった観点ではハードルが上がるのですが、物理的には「自分で対処できる事」が増えるわけです。

ですから、そういった先入観は排除しづらく、結果的に一番大きな壁としてワーママの前に立ちはだかることが予想されます。

小学生が進学して楽になった事、大変になった事を対比して説明できるくらい、意識的に自覚しておくことは案外と大切かもしれません。