(本記事は、白濱龍太郎氏の著書『誰でも簡単にぐっすり眠れるようになる方法』、アスコム、2017年9月3日刊の中から一部を抜粋・編集しています)
【『誰でも簡単にぐっすり眠れるようになる方法』シリーズ】
(1)スッキリ目覚めるには「最初の4時間」がポイント
(2)眠れない理由は「カラダの奥のあるもの」が混乱しているから
※以下、書籍より抜粋
眠れない理由のひとつは、体の奥の体温変化の混乱にあった
人間の体は、本来、レム睡眠とノンレム睡眠、深睡眠を繰り返しながら、しっかりと4時間以内に2回以上、深睡眠がとれるようになっています。
しかし、ぐっすり眠れない人の場合、なかなか深睡眠が訪れなかったり、訪れてもすぐに終わったりしてしまいます。
なぜそのような違いが出てくるのでしょうか。
そこには「深部体温」と「自律神経」が大きく関係しています。
みなさんは「深部体温」という言葉を聞いたことはありますか?
体の表面の温度である皮膚温に対して、深部体温とは内臓など体の内部の体温で、これは1日を通して決まったリズムで変動しています。
深部体温は、朝目覚めるころから上昇を始め、日中は高めのまま推移し、夜にかけて低くなります。
具体的な時間に沿って体温の変動を見てみると、朝の7時に起きた場合、その約11時間後の18時ごろにもっとも高くなり、そこから時間の経過とともに、少しずつ下降していきます。
そして私たちの体には、深部体温が下がると眠くなるという仕組みが備わっています。
しかし、よい睡眠がとれない人は、この深部体温のリズムが乱れ、夕方のピーク時になっても体温が上がらない、夜、ふとんに入る時間になっても体温が下がらないという問題を抱えていると考えられます。
深部体温のリズムは、メラトニンというホルモンの影響を受けています。
メラトニンは、夜の睡眠時に多く分泌され、朝、目覚めて太陽の光を浴びると脳からの指令で分泌が止まります。
夜に深部体温を下げるメラトニンが働くためには、朝きちんと光を浴びて、セロトニンというホルモンが分泌される必要があります。
また、夜に人工的な光(ブルーライトなど)を浴びないことも重要です。
しかし、いまの私たちのライフスタイルでは、この光との関係が乱れてしまっています。
帰宅時間が遅い人が多く、深夜になってもテレビを見たり、パソコンに向かったり、コンビニに買い物へ出かけたり……。
本来であれば暗くなって眠りにつくはずの時間帯に、強い光を浴びて明るい環境で過ごしているのです。
その結果、光の力に影響されホルモンの分泌が乱れ、人が本来持っている「太陽が昇ると目覚め、暗くなると眠る」という体内リズムも乱れ、さらに眠りにかかわる深部体温のリズムまでもが乱れるという負の連鎖が起きてしまっているのです。