オマーンで俺は無料だけど事件
オマーンに行ったのはちょうどクリスマスの時期だった。9月に行こうと決めてから、いろいろ調べたり、我慢したりでこの時期になったのだ。オマーンはイスラム教の国なのでクリスマスがない、ということが旅の狙いの一つだった。日本はハロウィンが終わるとクリスマス一色になるので、クリスマスのない国に行きたかったのだ。
オマーンはアラビア半島東部に位置する。『アラビアンナイト』でシンドバッドが出航したとされる港がある。長らく鎖国政策をおこなってきたけれど、1970年からは積極的な開国政策を展開している。ドバイと比べるとアラブ感が強く、求めていた景色だ、と感動した。
『オマーン国際空港』は一部で有名だけれど、そんな空港はなく、首都である『マスカット』に『マスカット国際空港』がある。ただ『オマーン国際空港』は口に出して言いたい日本語ではあるので、今後もぜひ多くの人に言っていただきたい。
オマーンは鉄道がないので、移動はバスかタクシーになるのだけれど、バスだとチケットを買うとき、タクシーだと値段交渉をするときに誰かと話す必要があるので、私はレンタカーを借りた。ちなみにオマーンにはないけれど、別の国では『Uber』を使えば値段交渉もないし、目的地も事前に設定できるので、いよいよ話す必要はなく、しかも安いのでオススメだ。
さくらインターネットでは、すべてのサービスが日本語で申し込める。言葉の壁はないのだ。しかも料金も最初から決まっており、好きなプランを選べる。
海外のタクシーの料金の話し合いとは比べられないほどの便利さだ。常によく知らない海外とサービスを比べると、大体の物がすっごい便利となるのでオススメだ。
アラビアといえば砂漠
クリスマスがないことを確認すると、レンタカーで砂漠に向かった。アラビアと言えば砂漠だ。砂漠が見たいのだ。道は広く走りやすい。国内でもあまり車を運転しない私でも運転できる。ちなみに行く砂漠は『ワヒバ砂漠』。
広い砂漠なので、その砂漠のどこに行くかは、オマーンの地図を広げて、「この辺かな」で決めている。「なんか建物あるな」「お、これホテルだぞ」「ここにしよう」と、休日の昼ごはんを選ぶ感じで決めた。
数時間走り到着したホテルは、綺麗な地元の公民館のような感じだった。砂漠の真ん中に道が走り、その脇にポツンとそのホテルはあった。日本でそのホテルを見つけても泊まらないだろう。ただ周りにホテルはないし、事前に予約しているしで、泊まるしか選択肢はない。
中に入ると『カンドゥーラ(中東の民族衣装)』を着た男性が立っていた。このホテルのオーナーだそうだ。不思議なもので、海外で数日過ごすとなんとなく言葉がわかるようになる。
明確にわかる感じではないけれど、こう言っているのではないだろうか、とぼんやりわかるのだ。霧の向こうに見える街のように、後ろ姿からその人が美人なのか推測できるように、なんとなくわかる。
無料だけど、無料じゃない
お金はすでに予約サイトで払ってあったので、特に彼と話す必要はないのだけれど、彼は非常に積極的に話しかけてきた。「砂漠から見る星空が綺麗なんだ、夜に見に行かないか?」と言っている気がする。海外ではよくあることで、ホテルでもそうだし、街を歩いている人から急にこんな誘いを受ける時もある。街では無視だけれど、ホテルではそれができないので、「いくら?」と聞き返した。
「無料だよ。こんな場所に来て星を見ないなんてもったいない」的なことを彼が言っている気がする。「フリー? 本当に」と聞き返すと「もちろんだ」と言う。騙されている匂いがする。私はハエでも払うように顔の前で手をパタパタさせたほどだ。無料なら行ってもいい気がするけれど、無料のはずがないのだ。
私の様子を見て、「俺にお金を払う必要はない。フリーだよ。でも、息子が案内するから息子に払って」と彼は続けた。
無料じゃない。無料の概念が日本と違うのか。彼にとっては無料かもしれないけれど、私が払うことに違いはない。息子がツアー会社でもやっているのかもしれない。その斡旋かもしれない、と思ったけれど、フロントの奥の部屋を見ると、誰かいて、目が合い軽く会釈した。「息子です」とフロントの彼は言った。
家族経営やんけ。無料ちゃうやんか。どっちにしろ、このホテルにお金が行くやんか。どこが無料なんや。もちろん行かなかったけれど、値段を聞いたら日本円で「1万5000円」と言っている。無料ほど高いものはない、と学んだオマーンだった。
さくらインターネットなら、そういうことはない。最初から値段を教えてくれる。別会社に払ってくれ、みたいなことはない。安心だ。シンプルなメール専用プラン『さくらのメールボックス』なら月額換算87円。星を見に行く金額で約172ヵ月も使えることになる。
ただこのおじさんは実はいい人で、その後の撮影で必要だったことは、かなり安くいろいろしてくれたし、とても親切に接してくれた。なんならオマーンで一番の思い出はこのおじさんだ。
でも、こういうことは稀で基本的には全員詐欺師だと思って海外に行っている。信用できるのはさくらインターネットだけ。
なので、私がサーバー代の支払いを忘れて消えてしまったデータ、出てきませんかね? いや、出てこなくていいや。大したこと書いてないし、黒歴史だわ。やっぱり、この世に最初からなかったみたいに消してください。
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