女性の自動車運転解放に向けた動き

女性の労働力を拡大するうえで最大の足かせとなるのは、サウジアラビアに根付いた女性への圧力だろう。サウジアラビアでは今も公的な場への出入りが禁じられているほか、自動車の運転、ヒジャーブ(頭髪を覆い隠すためのスカーフ)を着用しない、あるいは近接者を伴わない外出なども禁止と、女性の権利が宗教勅令上違法行為と解釈されている。

女性が初の参政権を得たのは2015年12月。アブドラ前国王の「約束」が4年の歳月を経てようやく実現された。他国には人権侵害と批判されるほどの圧力を軽減するための動きは徐々に見うけられるものの、

しかし投資家として知られるアルワリード・ビンタラール王子が昨年、「女性に自動車運転の権利を開放すべき」とブログ上で発言。女性の権利に反しているだけではなく、女性の労働力低下を招いているとし、サウジアラビア経済の成長を阻む要因のひとつであると呼びかけた。

「女性の社会進出」を具体化することで促進を狙う

ビンタラール王子の説明によると、自動車運転が禁じられているという理由で100万人を上回るサウジアラビア女性がタクシーなどに依存せざる得ない。こうした現状が労働力の生産性にマイナス影響を与えていることは否定できない。

自動車運転が解禁されるだけで、サウジアラビアの女性社会に根本的な変化が訪れるとはいえまいが、具体的に社会進出を促進することで徐々に女性と社会のあり方を変えていくことは可能だ。

そうした意味でも今回のような女性CEOなどの誕生は、サウジアラビアだけではなく多くの国が「女性の社会進出」という課題に接するうえで、大きな原動力となりそうだ。

文・アレン琴子(英国在住フリーランスライター)/ZUU online

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