健康によいと認識されているコーヒーですが、カフェインの摂取によって生活習慣病の原因になる慢性炎症にかかるリスクが下がることが判明しました。
コーヒーが注目され、さまざまな研究をされるようになったのは、ほんの20年から30年位前から。
近年もさまざまな学者によって研究されていますが、コーヒーを飲んで生活習慣病にかかるリスクを下げれるとはなんとも嬉しい話ではないでしょうか。
コーヒーのカフェインを摂ると慢性炎症になるリスクは低くなる?
コーヒーを飲んでいる人は飲まない人に比べ、生活習慣病の原因である慢性炎症になるリスクが低くなることが判明しました。
スタンフォード大学とボルドー大学の研究者は長期にわたり、114人の高齢者を対象として遺伝子の調査をしていましたが、炎症の少ない高齢者はカフェインが含まれたコーヒーやお茶を飲んでいることがわかったのです。
この実験から、カフェインを摂っている人は摂っていない人よりも、慢性炎症になるリスクが低くなるという結果が出ました。
慢性炎症ってどんなもの?
慢性炎症という言葉に馴染がない方もいるでしょう。
この炎症は高齢者がなりやすい病気の原因になる炎症ですが、がん、認知症、心血管疾患、変形性関節症、さらにはうつ病にも影響を与える炎症なのです。
以前から、コーヒーなどのカフェインが、アデノシンという分子の効果を阻害する事実は知られていました。コーヒーを飲むとアデノシン受容体が阻害され、その結果眠気が覚めるのに繋がります。
アデノシンを阻害するカフェインは、体内にある炎症分子もブロックするのではないか?との説もあり、また、カフェインを摂っている人は長生きの傾向にあるとの研究結果も出ています。
このようにカフェインは長生きと関係していることも知られていますが、その根本には慢性炎症を抑える効果があるのではないでしょうか。
コーヒーを飲んでいる高齢者と飲まない高齢者との違い
この実験は、加齢に関するタンパク質の調査から始まっています。
最初は、タンパク質をつくる為に遺伝子をどれだけ使っているかを調べていました。
対象の60~89歳の高齢者はインフラマソームという免疫分子が増加していることが明らかとなっています。
インフラマソームは、インターロイキン-1という分子を活発にさせるタンパク質です。インターロイキンは感染症対策において必要な分子ですが、長期にわたり使いすぎると慢性疾患につながる分子でした。
対象者のうち炎症分子が少ない人びとは、血圧も低く動脈も柔軟であるとの結果が出ています。
さらに、炎症の少なかった人びとはカフェインが含まれるコーヒーやお茶を飲んでいることが分かったのです。
この実験から、コーヒーやお茶に含まれるカフェインを摂ると慢性炎症のリスクが低くなるのでは?との結果が出たのです。