見どころの多いアートな場所「直島」ですが、どういうルートでめぐるか、どこを優先的にみるべきなのか迷いがちです。くまなく直島を楽しむために、効率的に直島をまわるプランをご紹介します!
直島をめぐるにはどんなルートがいい?
筆者のオススメのルートは、まず地中美術館エリアへ行き、その後本村エリア、そして最後に宮ノ浦エリアを周るルートです。宮ノ浦港発着の場合、特にこのコースで行くと効率的に巡ることが出来ると思います。
それぞれのエリア内は徒歩で見て歩くことが出来ますし、宮浦港付近で電動アシスト付きのレンタサイクルを利用する人も多いようです。自転車での各エリア間の移動時間はそれぞれ10分から20分程度ですが、自転車の侵入不可エリアや、所によって急な坂のエリアもありますので、コース選択は注意してください。
筆者は島内で宿泊したため荷物があったので、バスを利用しました。各エリア間の移動時間はそれぞれ約5分程度です。ただ、1時間に数本と少なくマイクロバスで乗車人数も限られますので、混雑する時期はご注意ください。
1. 地中美術館エリア
地中美術館
まずは王道の近代美術を楽しみましょう。大人気の地中美術館は、オープン直後に行くのが人も少ないのでオススメです。バスでアクセスする場合、宮ノ浦港から時計回りに巡回、つつじ荘が終点折り返し地点となります。つつじ荘前のバス停から専用のシャトルバスに乗り換える(2分程度)か、徒歩(10分程度)でチケットセンターまで移動します。ベネッセハウスの敷地内は自家用車、自転車の乗り入れが不可ですのでご注意下さい。
地中美術館には、近代美術では欠かせない安藤忠雄建築の作品をはじめ、巨大なモネの水蓮が3枚飾られているなど、ダイナミックで貴重な作品が展示されています。人数制限があるので、混雑する時期に行く方、効率的に周りたい方は事前のチケット予約をしていくほうがいいでしょう。
チケットセンターに行った後、美術館に入館前する前にも素敵な工夫があります。館内に展示されているモネの水蓮の世界を実際の池で表現していますので、水蓮の綺麗な時期には、モネもこのような風景を見たのかな、などと想像しながら歩いてみてください。
隠れアートスポット
地中美術館から次の場所へと移動するのに、レンタサイクルや専用バスで素通りしてしまいがちなのですが、次のスポットまでゆっくり歩いてみると、嬉しい発見をすることがあります。
意外にも多くの屋外展示の作品があり、間近で見ることが出来るのです。巨大なゴミ箱が突如現れたり、地中美術館に展示されている、Walter De Mariaの黒い球体の作品とリンクしているような作品や、ベネッセハウスミュージアムの屋外作品の一部であるものなど、様々な気付きがあります。
南瓜
直島と言えば、この黄色いかぼちゃの印象が強いのではないでしょうか?砂浜から海に向かって張り出す桟橋、その突端にあるポテっとした可愛らしいかぼちゃのモニュメント。ここでは、多くの人が順番待ちをしながら写真を撮っているので、少し多めの時間配分をしておくといいと思います。
草間彌生のこの作品は、フェリーが到着する宮ノ浦港の真反対の位置にあります。サクッと写真を撮って帰るなんてことが出来ないので、ここまで来なければいけません。つまり、ここまで来てちゃんと直島の素晴らしい部分を見て欲しいということの裏返しでもあるのです。
2. 本村エリア
家プロジェクト
家プロジェクトは、点在していた空き家などを改修し、人が住んでいた頃の時間と記憶を織り込み、空間そのものを作品化しているアートプロジェクトで、1998年から本村地区で展開しています。2020年現在、角屋、護王神社、南寺、碁会所、石橋、はいしゃ、きんざの7軒が公開されています。
現在も生活が営まれているエリアに点在する作品を散策しながら鑑賞することで、場所の持つ時間の重なりやそこに暮らす人々の営みを感じることができる面白い展示方法となっています。住む人と訪れる人との交流で生まれる新たなコミュニティの在り方を提起する契機になったこの取り組みは、他ではなかなか見られない作品です。
きんざを除く6軒は鑑賞共通チケット(1,050円)で全て鑑賞が出来ますので、個性的な作品たちを全て鑑賞していただきたいですが、時間がない方は一か所だけを鑑賞するワンサイトチケット(420円)もあります。もし一か所だけしか見られない場合、間隔を研ぎ澄まさせられる「南寺」、外側と内側の違いを楽しめる「はいしゃ」などがオススメです。
また、犬島でも空き家などを改修した作品犬島家プロジェクトがあります。周辺を巡る予定のある方は、是非犬島にも訪れていただきたいです。