このように、濃度の感じ方の可能性について、波のようなイメージになります。

ジュースを飲み比べた時「どれが違う?」と聞くのと「どれが一番甘い?」と聞くのでは正答率が変わる?その2
(画像=味覚ステーションより引用)

では、次の3つ

A:10%の砂糖水 B:10%の砂糖水 C:11%の砂糖水

を飲み比べた時は、どのように感じるでしょうか?

ジュースを飲み比べた時「どれが違う?」と聞くのと「どれが一番甘い?」と聞くのでは正答率が変わる?その2
(画像=味覚ステーションより引用)

これも先程と同様、波のような感じ方のイメージになります。

さて、ここで改めて問題です。

この3つの砂糖水について、「どれが違う?」と聞かれた場合(3点識別法)はどうなるでしょうか?

高確率で、上図のようになり、 「AとBが同じ。Cが違う!」 と答えます。

これは、BとCの距離が、AとBの距離と比較して長いので、「Cが違う!」と考えるのです。

しかし、可能性は低いですが、下図のようになることもあります。

ジュースを飲み比べた時「どれが違う?」と聞くのと「どれが一番甘い?」と聞くのでは正答率が変わる?その2
(画像=味覚ステーションより引用)

この時は、 「BとCが同じ。Aが違う!」 と答えます。

これは、AとBの距離が、BとCの距離と比較して長いので、「Aが違う!」と考えるのです。

つまり、低確率ではありますが、 本当は違う「B(10%)と C(11%)を同じ」と考え、 本当は同じ「A(10%)が違う」と考えてしまうことも十分ありうるのです!

しかし、この場合でも、 「最も甘いのはどれ?」と言う質問(3点比較法)では、「C」と答えることになります。

以上のことから、 「3点識別法」と「3点比較法」では答えが異なることがあり、 「3点比較法」のほうが精度が高いと考えられるのです。

すごく長い説明となってしまいましたが、これが「Thurstonian Model」の概念をざっくり説明したものとなります。

私は「頭悪そう」「何も考えてなさそう」とよく言われますが、味覚診断(官能評価)を行う際は、このように、質問の仕方による答えの精度の違い等も考慮しながら実施してるんですよ笑。

本日のまとめ

・3点識別法より3点比較法のほうが正しい答えを得やすい
・感じ方の可能性は、波のようなイメージになる
・私は、みんなが思っている以上に、実は色々考えてます!

提供・味覚ステーション

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